有機農産物を使ったオーガニックコスメで地域興し

2016年11月18日(金) 13:00~14:00
テーマ:「有機農産物を使ったオーガニックコスメで地域興し」

(及び「JOCA推奨品マーク」について)

講師 日本オーガニックコスメ協会代表 水上洋子

講演内容の詳細

「日本オーガニックコスメ協会」の水上です。

「日本オーガニックコスメ協会」の主な活動目的は、天然成分のオーガニックコスメを普及させることです。

現代の一般的な化粧品に合成成分が使われていることに疑問を抱いたことが、2007年に「日本オーガニックコスメ」協会を設立したきっかけになっています。

最近、「地域興し」として、有機農産物を菓子類、漬物、そのほかの加工食品にすることが行われています。そんな中、新たな「地域興し」として、化粧品も注目されています。

しかし、現状の「地域興し」化粧品の全成分を見てみると、「日本オーガニックコスメ協会」としてはたいへん気になることがあります。それは「地域興し」化粧品の全成分をよく見てみると、合成界面活性剤や合成防腐剤などがけっこうたくさん使われているということです。つまり一般的な化粧品と同じように、「地域興し」化粧品にもまた合成成分が多く使われており、残念に思っています。

化粧品の主な合成成分には、次のようなものがあります。

たとえば合成防腐剤というと、代表的なものパラベンやフェノキシエタノール、合成界面活性剤というと、ラウレスー9、イシステアリン酸ポリグリセリルー2、ラウリン酸PPG-150、ポリソルベート20、などですが、「地域興し」の化粧品も、こういった合成成分がたくさん入ったものが多いというのが現状です。

化粧品の合成防腐剤は、いわば、農薬のようなものです。合成防腐剤も合成界面活性剤のどちらも、主に石油を原料として作られる合成成分で、自然界にはないものです。

それでは、本来の有機農産物の安心安全という価値そして信頼が無くなってしまいかねません。

さらにもうひとつ、化粧品の合成成分としてよく使われる成分は、植物エキスを抽出する合成溶剤です。

たとえばひとことに化粧品成分として「みかんエキス」と言っても、それを作るために使われる溶剤はいろいろあります。

つまり有機みかんを何かの溶剤に漬け込んで、エキスを抽出するのですが、そのさい、どんな溶剤を使うのかということが問題です。溶剤は、水、アルコール、植物オイル、グリセリン、そして石油から作られたBGつまり1、3-ブチレングリコールなどがあります。

ちなみに海外のこだわりのオーガニックコスメ・メーカーでは、植物エキスの溶剤は、天然醸造したアルコールか植物オイルで抽出します。

いっぽう日本の化粧品原料会社で多く使われている溶剤がBGです。BGは石油由来原料から作られる成分で、抗菌作用もあるので、この溶剤を使って植物を抽出すると、腐らない植物エキスが作れるからです。比較的、肌には害がないと言われているBGですが、化学合成物質である以上は、敏感肌の方にとって刺激にならないとは言いきれません。

植物エキスの溶剤は、化粧品の全成分に表示しなくていいキャリーオーバー成分ですので、BGは、全成分の中に表示しなくてもいいものです。そのために消費者は、「みかんエキス」と書かれた成分を見て、天然成分の化粧品と思って購入します。しかし「みかんエキス」の中に、抽出溶剤として、BGなどの石油由来成分が隠れていることもよくあり、そうなると天然成分とは言い難くなります。

何故、多くの合成成分が「地域興し」化粧品にも使われてしまうのでしょうか?

たとえば有機農家の方が、うちのみかんを使って化粧品を作りたいと考えます。

そうすると、この生産者の方が、化粧品の製造会社さんに、有機みかんを持っていき、クリームや化粧水を作りたいというと、製造会社さんは、これまでの一般的な化粧品の製造マニュアルに従って、必ず「合成防腐剤や合成界面活性剤を入れましょう」ということになります。

「いやいや、合成成分なしで作りたい」と有機農家の方が言っても、「腐ったらどうするんですか」という調子で説得され、結果的に、有機みかんエキスに合成界面活性剤や合成防腐剤がたくさん配合された化粧品になってしまうわけです。

それはこれまでの一般的な化粧品の製造マニュアルが、合成界面活性剤、合成防腐剤、合成溶剤にたよることで、腐らないようにすることが当たり前になっているからです。

オーガニックコスメは、ただオーガニック植物のエキスを使うだけではなく、合成成分にたよるこれまでの化粧品製造を見直そうということから始まっています。

もし生産者の方が、「100%天然成分の化粧品をぜひ作りたい」ということでしたら、そういう技術を持っている製造会社さんを見つけて、そこで作ってもらう必要があります。

現在、日本ではそういうことができる製造会社は限られていますが、何社かあります。

天然成分100%で化粧品を作るのは難しいという声もよく聞きます。しかし、日本のオーガニックコスメ・メーカーの進歩は素晴らしく、スキンケアはもちろん、シャンプーからメイク用品まで、ほぼあらゆるアイテムの化粧品が、天然100%で作ることが、今では可能になっています。

オーガニックコスメというと、環境先進国ドイツやヨーロッパというイメージがありますが、じつは天然100%のオーガニックコスメを作るという点では、おそらく日本は、今、世界一の水準に達していることと思います。

「日本オーガニックコスメ協会」は、有機農産物を使って、天然成分100%のオーガニックコスメを作ることを支援してします。もし生産者の方や、「地域おこし」化粧品を作りたいというご希望があれば、100%天然成分で作るために、天然の防腐剤、天然の乳化剤に詳しい製造工場を選ぶなど、そのためのポイントについて教えます。

さて、こうして地域の有機農産物を使ったオーガニックコスメを作ったとき、広報はどうしていくのかということが重要になります。やはり化粧品は、広報なしでは、市場に定着して販売し続けることが難しくなります。

そのため「日本オーガニックコスメ協会」は、昨年、「JOCA推奨品マーク」を作りました。これは消費者にとって、本当に安心安全と言える、天然100%のオーガニックコスメをわかりやすくするという目的を持って作られました。メーカー側にとっては、この推奨品マークをつけることによって、その安全性を消費者に対してアピールすることができるものです。

また「日本オーガニックコスメ協会」は、出来上がったオーガニックコスメを普及するために、「JOCA推奨品マーク」をつけることによって、消費者に安心安全であることをアピールする支援活動も行っています。

ただ今、JOCA推奨品マークを取得しているメーカーは、27社になります。

これらの推奨品取得製品については、この 「オーガニックライフスタイルEXPO」の会場で、JOCA推奨品マークのブースで展示していますので、ぜひお寄りになって、御覧になってください。「日本オーガニックコスメ協会」は、本当に安心安全と言えるオーガニックコスメを応援することによって、もっと日本に有機栽培の土地が増え、環境保全にも貢献できればと願っています。

有機農産物を使って、天然成分100%のオーガニックコスメを作ってみたいという生産者の方、地域興しとしてやってみたいという方は、日本オーガニックコスメ協会にお問い合わせください。「日本オーガニックコスメ協会」は、100%天然成分のコスメ製造方法をアドバイスし、出来上がった製品を普及するために支援しています。

ありがとうございました。

本当に価値あるオーガニックコスメとは?

2016年11月19日(土)14:00~14:45
テーマ:本当に価値あるオーガニックコスメとは?

グリーンケミストリーによる化粧品新成分は安全か?

講師 日本オーガニックコスメ協会代表 水上洋子

講演内容の詳細

はじめに

日本オーガニックコスメ協会の水上です。

お集まりいただき、ありがとうございます。

日本オーガニックコスメ協会は、消費者の立場から安心安全な化粧品を普及しようという目的を持って活動している協会です。

二つの内容

今日は、「本当に価値あるオーガニックコスメとは?」というテーマでお話しさせていただきます。

具体的な内容としましては、次の二つになります。

ひとつは、最近は、オーガニックコスメが伸びていますが、合成成分が混じったものも多いのが現状です。素肌の健康を根本から取り戻すために、天然成分100%のオーガニックコスメを選ぶポイントについて話します。これにちなんで、「グリーンケミカル」という「環境にやさしい化学」について触れたいと思います。

もうひとつは、「日本オーガニックコスメ協会」は、オーガニックコスメは、「天然成分100%であるべき」という考えのもとに、「JOCA推奨品マーク」を作りました。そのことによって、消費者が天然100%のコスメを選びやすい環境を提供したいと考えています。

肌トラブルと合成成分

今、乾燥肌をはじめ、いろいろな素肌トラブルの悩みを持つ女性が本当に増えています。

その大きな原因となっているのが、実はきれいになるためであるはずの化粧品の合成成分です。

一般的な市場に出ているほぼ90%の化粧品には、石油から作られた合成成分が使われています。こうした石油合成成分を主体とした化粧品が一般的に普及してから約70年がたとうとしていますが、昔以上に肌トラブルに悩む女性が増えています。

しかしここにきて、多くの女性たちも、やはりナチュラルな化粧品のほうが肌にとって安全なのではと感じ始めています。私たちの体や肌は、自然のものでできているのですから当然のことです。

これは世界的な傾向で、よりナチュラルな化粧品を求めて、世界的にオーガニックコスメを購入する人たちが増加しています。日本でも、ヨーロッパでもナチュラル、あるいはオーガニックをうたう化粧品の売り上げが年々、伸びています。

あいまいなオーガニックコスメ

しかし現在、オーガニックコスメをうたっていても、石油由来の合成成分が使われている製品も多く出ています。とくにオーガニックコスメであるための規制はないので、たとえ合成成分をかなり使っていても、オーガニックコスメをうたって販売することができます。

オーガニックコスメの基準

じゃあ、オーガニックコスメの規制を作ればいいじゃないかという声も多いのですが、一概にそれで問題が解決するとは限りません。

というのもその規制が緩いものになってしまうと、曖昧なオーガニックコスメが当たり前になってしまうからです。
実は、EUのコスメ認証マークがついたオーガニックコスメも、必ずしも合成成分ゼロではなく、合成防腐剤などが配合されていることもあります。

それは、その認証団体のコスメ基準において、一部の石油合成成分の使用が認められているからです。

オーガニック認証コスメであっても、意外にも、合成防腐剤、合成界面活性剤、そして合成溶剤などが使われたものもけっこうあります。

全成分

オーガニックコスメとパンフレットにあったから、あるいは認証マークがついていたから安心と思い込んで購入して使っていると、実は、それに合成成分が使われており、肌トラブルの原因になったりします。なお化粧品の主な合成成分には、このようなものがあります。

「オーガニックコスメを使いたい」ということでしたら、ぜひ天然成分100%、つまり本当に価値あるオーガニックコスメを選んでください。

そのためにパンフレットの言葉をたよりにしないで、全成分をしっかりと見ることです。「わからない成分があるけどいいわ」、では本当に価値あるオーオーガニックコスメを選ぶことはできません。

そこで、これから、天然成分100%のオーガニックコスメを選ぶために、全成分を見るとき、いくつかのポイントについて話していきます。

防腐剤

化粧品を作るときに、必ず必要なものが、防腐剤です。

一般的な化粧品で、もっともよく使われている防腐剤がパラベン、あるいははフェノキシエタノールが使われています。この二つは石油合成成分で、アレルギー性があると言われています。

いっぽうヨーロッパの認証オーガニックコスメでよく使われている防腐剤として、「安息香酸ナトリウム」があります。「安息香酸ナトリウム」も石油合成成分です。「安息香酸ナトリウム」は、みなさん、ご存知でしょうか? 昔、日本の厚生省が定めました「102種類の旧表示指定成分」のリストに入っている成分で、したがってアレルギー性があります。

「ヨーロッパのオーガニックコスメ認証は、すごく厳しいから、合成成分は一切使用が認められていない」と思っている方が多いのですが、現状は違います。

現在のところ、ヨーロッパのオーガニックコスメ認証においては、いくつかの石油合成成分を使用することが認められています。

このことについて、より詳しい情報としましては、お手元に配布しました「オーガニック生活便」14号の7ページをご覧ください。ここには、オーガニックコスメ認証において、使用が許可されている合成防腐剤の一覧が出ています。(表-1)

防腐剤 植物由来のプロパンジオール

もうひとつ、ヨーロッパの認証オーガニックコスメで、よく見かける成分が、「プロパンジオール」です。これは、以前は石油から合成していた成分ですが、新たに植物から合成した新成分です。プロパンジオールは、防腐剤として使われています。

植物が原料というと、「それは安全なもの」と思われがちですが、そうとは限りません。それは、植物からも、自然界にない合成成分を作ることは可能だからです。

グリーンケミストリー

ここで、「グリーンケミストリー」について触れたいと思います。

「グリーンケミカル」とは「環境に優しい合成化学」とも言われ,物質を設計し,合成し応用するときに有害物質をなるべく使わない,出さない化学を意味します。

一見、たいへん今の時代に合った考え方です。

その「グリーンケミトリー」の考えは、ヨーロッパのオーガニックコスメ原料関係では、すでによく活用されています。

それは、これまで石油から合成してきた成分を、植物から合成するということに活用されています。

一般的な消費者は、「植物が原料だったら、それは天然成分でしょう」と考える傾向があります。少しややこしいのですが、植物を何らかの溶剤に漬け込んで植物エキスを作る場合は、たしかに天然の化粧品成分と言えますが、いっぽうで化学的操作によって、植物から自然界に存在しない合成成分を作ることもできます。植物に含まれるさまざまな成分を壊すことない場合は、天然成分となりますが、植物に含まれるさまざまな成分の分子式をバラバラに化学的操作(高温。高圧、触媒)によって分解し、再合成したものは、合成成分になります。

たしかに「グリーンケミストリー」において持続可能な原料とは言い難い石油を止めて、持続可能な植物原料を使うという点では、今の時代の要請にあっていると思います。

しかしここで消費者の立場からぜひ注意してほしいことがあります。それははたして植物から作った合成成分は、安全なのかということです。何故なら、それはまだ長期的に検証されていないという問題があります。

石油から作ったある合成成分が自然界に循環できないものであれば、たとえそれを植物から合成したとしても、自然界では循環できないものになります。

そうした成分は、当然のことながら、素肌の負担となる可能性があり、環境汚染の原因ともなります。

先にあげた防腐剤のプロパンジオールも、そう「グリーンケミストリー」の新成分として登場しました。しかし「日本オーガニックコスメ協会」は、植物由来であっても、プロパンジオールは、長期に使うと、どのような問題が出てくるかはまだわからないため、使用しないほうがいい成分の中に入れています。

そのほか「グリーンケミストリー」という考えのもとに登場した化粧品の新成分としては、乳化安定剤のセテアリルアルコールなどもあります。セテアリルアルコールも、以前は石油から合成されていたものを植物から合成もできるようになったわけです。

しかし石油由来であっても、植物由来であっても、出来上がった合成成分は、その性質に違いがあるわけではありません。石油からであろうと、植物からであろうと、出来上がったセテアリルアルコールに違いはありません。ちなみにセテアリルアルコールも、アレルギー性があるとされた「旧表示指定成分」です。

化粧品の新成分については、直接、肌につけるものなので、オーガニックフード同様、長期使用による結果がわからない成分については、慎重に対処すべきだというのが、協会の考え方です。

溶剤

さて、もうひとつ、オーガニックコスメを選ぶときに気をつけてほしいのが、植物エキスの溶剤です。

たとえばひとことに化粧品成分の「ラベンダーエキス」と言っても、それを作るために使われる溶剤はいろいろあります。

つまりラベンダーを何かの溶剤に漬け込んで、エキスを抽出するのですが、そのさい、どんな溶剤を使うのかということが問題です。

溶剤は、水、アルコール、植物オイル、グリセリン、そして石油から作られたBGつまり1.3-ブチレングリコールなどがあります。

ちなみに海外のこだわりのオーガニックコスメ・メーカーでは、植物エキスの溶剤は、さとうきびなど穀物由来のアルコールなどを使うところが多いようです。

いっぽう日本の化粧品原料会社で多く使われている溶剤がBGです。

BGは石油由来原料から作られる成分ですが、抗菌作用もあるので、この溶剤を使って植物を抽出すると、腐らない植物エキスが作れるからです。

比較的、肌には害がないと言われているBGですが、化学合成物質である以上は、敏感肌の方にとって刺激にならないとは言いきれません。

このBGについても、最近、先にお話ししました「グリーンケミカル」の考えのもとに、植物から合成されたものも出てきています。

現在、ヨーロッパのコスメ認証では、植物由来のBGは、使用可能になっています。

先ほどもお話ししましたが、石油由来であっても、植物由来であっても、出来上がった合成成分は、同じものです。植物由来の合成溶剤BGにつきましても、「日本オーガニックコスメ協会」としては、「使わないほうがいい」成分としています。

使用する消費者の立場からすると、オーガニックコスメは、オーガニックフード同様の安全性を原料に求めることは当然のことと、日本オーガニックコスメ協会は考えています。

天然100%コスメを選びたい

さて今日はこれまで、次のようなことをお話ししました。

  • 天然100%のオーガニックコスメを使いたいのなら、
    パンフレットの言葉は信用しないで、全成分をしっかりと見てください、ということ。
  • ヨーロッパのコスメ認証マークがついている化粧品でも、合成成分が入っていることがある、ということ。

しかし現実的に言うと、普通の消費者の方々が、化粧品の全成分を見て、それが何からできているのか、またそれは肌にとって害があるのかどうかを判断するのは、非常に難しいです。

「じゃあ、天然100%の化粧品は使いたいけれど、どうしたらいいの?」

そう思う方が圧倒的に多いことと思います。

オーガニックコスメ基準

そこで「日本オーガニックコスメ協会」は、一般の消費者の方であっても、天然100%の化粧品を選べるようにするために、「推奨品マーク」というものを作りました。

「推奨品マーク」がつけられる製品の条件は、100%天然成分のオーガニックコスメであるということです。

ところで天然成分100%で化粧品を作るのは難しいという声もよく聞きます。

私もいくどか、オーガニックコスメの国際会議に参加しました。そのたび、「オーガニックコスメは、天然成分100%であるべきで、合成成分を使うのはおかしいのではないか」という発言をしてきました。

私のそんな発言に対して、EUの認証団体の方は、こんな答えを返してきました。「現在のところ、合成防腐剤を全く使わないコスメを作るのは難しい。それに代わるものがあるまで仕方がない」と。

しかし今、日本のオーガニックコスメ・メーカーの進歩は素晴らしく、スキンケアはもちろん、シャンプーからメイク用品まで、ほぼあらゆるアイテムの化粧品が、天然100%で製造することが可能になっています。

オーガニックコスメというと、環境先進国ドイツやヨーロッパというイメージがありますが、じつは天然100%のオーガニックコスメを製造するという点では、おそらく日本のメーカーは、今、世界一の水準に達していることと思います。

天然100%でなければ植物は力を発揮できない

オーガニックコスメの価値は、植物の力で発揮させることによって、素肌の美と健康を守ることです。たとえばオーガニックコスメの原料として、薔薇があります。薔薇はたいへん不思議な働きをする植物で、乾燥肌に対しては、皮脂分泌を促し、オイリー肌に対しては、皮脂分泌を抑えるという双方の働きをします。あたかも薔薇の成分には、何か意思でもあるかのように、その人の肌に合せた働きをするわけです。そういうことは、合成成分では決してできません。また日本で昔から使われてきたヘチマ水は、防腐剤を加えることなく、そのままで20年間以上も腐ることはありません。それほどヘチマ水は、抗酸化力が高く、その抗酸化力が肌に対しては素晴らしい老化防止効果を発揮するわけです。昔の日本の女性は、ヘチマ水の素晴らしい美容効果を知っており、ヘチマ水を「美人水」とも呼んで愛用していました。

しかしそのような薔薇の力、ヘチマの力、つまり植物本来お力は、そばに合成成分があっては、その力を発揮することができません。合成成分が入り混じったオーガニックコスメでは、本来の価値を発揮できないのです。だからこそ、オーガニックコスメの基準は、天然成分100%で作れる技術を持つ日本がリードすべきと協会は考えています。

それはビジネス的な意味での世界一を目指すという意味ではありません。そうではなく、消費者が本当に安心安全なオーガニックコスメを普及すること、そして素晴らしい力を秘めた植物の力を知ってもらうためです。

そのような理由から、日本オーガニックコスメ協会は、オーガニックコスメ基準は、天然成分100%を目指すべきと考えています。

JOCA推奨品マーク

ただ今、JOCA推奨品マークを取得しているのは、国産メーカー27社になります。

日本オーガニックコスメ協会は、これらのメーカーさんに対して、「認証してあげる」という上から目線の立場ではなく、一緒に「天然100%のオーガニックコスメ基準を広げよう!」という志を持った仲間、あるいは同志と位置付けています。

これらの推奨品マークを取得した製品は、すべて天然成分100%で作られています。製品は、スキンケア、メイク、ヘアケアとあらゆるアイテムがあります。

そのことからもわかるように、実際に、あえて合成成分にたよらずに、天然成分100%で化粧品を作ることは可能だということがわかることと思います。

推奨品マークを取得した製品については、この「オーガニックライフスタイルEXPO」の会場、Eの63ブースで、いっせい展示していますので、ぜひお寄りになって、御覧になってください。テスターも揃えていますので、お試しになることもできます。

本当に価値あるオーガニックコスメとは?

本当に価値あるオーガニックコスメとは、天然100%、つまり自然界の中で循環しないものを使わないということになるかと思います。それが自分の素肌の健康を守ることになり、環境を守ることにもなるわけですから。

「日本オーガニックコスメ協会」は、メーカーさんに対して、天然100%のオーガニックコスメを作るためのアドバイスもしています。

これまで、私たちの日用品は、ただ便利とか見た目がよいと言った価値観で作られてきました。しかしそうした製品作りは、今、見直すべきときに来ています。

オーガニックライフが求める製品作り

私は、よく最近の気候変動は、私たちが使っている化粧品と関係していますよ、というような話をします。そうすると、「えっ」と、びっくりされる方も多いのですが、本当の話です。

化粧品に使われている石油原料ですが、これは使えば使うほど、温暖化をさらに促進してしまうからです。

石油合成成分は、化粧品だけではなく、今、私たちの日用品の多くのものの原料になっています。それは、自然界で循環できないものなので、環境を汚染し、温暖化を促進します。

今、起きている気候変動も、私たちが使ってきたものと深く関わっています。つまり私たちのライフスタイルと関わっています。

これからの製品作りには、便利である、見た目がいいということに加えて、その作られた製品が、自然の中で循環できるものなのかどうか、環境を汚染しないのかということをしっかりと見きわめることが求められています。

オーガニックコスメだけではなく、私たちが使うものは、自然界を循環できる原料によって作られるべきであり、一人ひとりの方が、そうした価値ある製品を選ぶことが、地球環境と共生するための方法です。

本当に価値あるオーガニックコスメを使うことのすばらしさは、素肌の健康を守ることに加えて、「私と地球はひとつに繋がっている」ことを、ただのきれいな言葉ではなく、日々、体験できるようになることです。

最後に、この展示会のテーマであるオーガニックライフとは、今の時代を健康にそして幸せに生きるための知恵であり、地球環境と調和して生きるためのマナーだと私は考えています。

ご清聴、ありがとうございました。

グリーンケミストリー(環境にやさしい化学)から作られた新合成成分

グリーンケミストリー(環境にやさしい化学)から
作られた新合成成分

植物原料の合成成分(プロパンジオール、セテアリルアルコール、BG(1,3-ブチレングリコール)は安全か?

環境汚染の反省から出てきたグリーンケミストリー

近頃、グリーンケミストリー((Green Chemistry、環境にやさしい化学)という言葉を聞くようになりました。グリーンケミストリーという考えの始まりは、アメリカの環境省(EPA)です。

1990年、アメリカで、環境汚染を防ぐことを目的とした「連邦汚染防止法(Pollution Prevention Act)」が制定されました。

グリーンケミストリーという考えは、こうした背景から出てきたもので、できるかぎり有害物質を使用・排出しないように物質を選択し、反応式を設計し、有用な化学製品を作ろうというものです。

グリーンケミストリーという考え方には、自然界で循環しない有害な化学物質を大量生産し、それによって、地球環境が深刻な影響を受けた現代の問題を踏まえており、21世紀の化学を推進していく上では、たいへん重要な提唱をしているものと言えましょう。

グリーンケミストリーという考えについては、ヨーロッパのオーガニックコスメの認証団体も支援しています。しかし気になることは、植物原料さえ使用していれば、それはグリーンケミストリーに沿うものだという安易な姿勢に陥る傾向です。

石油から植物へ変わった合成成分

2012年あたりから、従来、石油原料で作られてきた合成の化粧品成分が、植物でも作られるようになり、それらが次々と、「認証対応原料」として登録されていっています。

具体的な事例をあげると、もともと石油から合成されていたプロパンジオール、セテアリルアルコール、BG(1,3-ブチレングリコール)などの化粧品成分などが植物からも合成されるようになっています。これらの植物由来の合成成分は、現在、有機認証団体「エコサート」及び「コスモス」の認証対応原料となり、オーガニックコスメ認証のさいに使うことができます。

留意されるべきは、セテアリルアルコールやプロパンジオールは、旧厚生省が指定した「102種類の表示指定成分」であり、アレルギー性があるという理由で、表示が義務づけられていた成分です。

これらの成分の構造式と性質は、植物原料から作られようとも石油原料から作られようとも、基本的には変わらず、出来上がったものの肌に対する有害性も差がないということです。

様々な視点から検証されるグリーンケミストリー

1998年には、オックスフォード大学のパウル・アナスタスとジョーン・ワーナーが、著書「グリーンケミストリーの理論と実践(Green Chemistry: Theory and Practice)」を出版し、その中でグリーンケミストリーの概念を12原則(Twelve Principles of Green Chemistry)にまとめています。

  1. Prevention:廃棄物はできる限り排出しない。
  2. Atom Economy:原料をなるべく無駄にしないかたちで合成方法を企画する。
  3. Less Hazardous Chemical Syntheses:人体と環境にできる限り害のない化学合成をする。
  4. Designing Safer Chemicals:毒性のなるべく少ない化学製品をつくる。
  5. Safer Solvents and Auxiliaries:有害な溶剤、補助剤はできる限り使用しない。
  6. Design for Energy Efficiency:化学工程のエネルギー使用量を最小にする。
  7. Use of Renewable Feedstocks:原料はできる限り再生可能資源とする。
  8. Reduce Derivatives:不要な誘導体化はできる限り避ける。
  9. Catalysis:触媒反応をできる限り採用する。
  10. Design for Degradation:環境中で無害物に分解しやすい製品にする。
  11. Real-time analysis for Pollution Prevention:危険物質の構成の前にリアルタイムで、製造過程のモニターとコントロールする。
  12. Inherently Safer Chemistry for Accident Prevention:化学事故の可能性を最小にする物質と構成にする。
植物由来の合成成分は本当に安全なのか?

この「グリーンケミストリーの12原則」と照らし合わせてみると、先に述べた植物由来の合成成分は、7番目の「原料はできる限り再生可能資源とする」という項目はたしかに満たしています。石油は、限りある資源であり、植物は再生可能な資源です。

しかし、3番目の、「人体と環境にできるかぎり害のない化学合成をする」と、4番目の「毒性のなるべく少ない化学製品を作る」なの項目を満たしているとは、言い切れないものです。
化粧品の成分に使うものであれば、何より、「毒性がない」ということを優先すべき条件になります。

従来、新たな化粧品成分として認められるには、動物実験によりその有害性について厳しく検証することが必須条件でした。しかしEUで化粧品成分については動物実験禁止となり、動物実験をした化粧品製品は、輸入が認められなくなりました。日本では動物実験は、禁止といかないまでも必須条件ではなくなりました。

動物実験の禁止は評価すべきことですが、化粧品の新成分の安全性の確認方法が不確かになり、安全性を確認する厳しさがゆるやかになっているという現状があります。その結果、新成分を配合した化粧品を実際に使った消費者自身が安全性テストをしているといっても過言ではない現状があります。

さらに植物由来の合成成分が、10番目の「環境中で無害物に分解しやすい製品にする」という項目もクリアしているのかどうかも確認されていません。

つまり植物から作られた合成成分であっても、私たちの体内という小宇宙及び自然界において循環できないものになる可能性は否定できないのです。

植物由来の合成成分も循環システムを壊す可能性がある

厳しい視点からみると、グリーンケミストリーの名のもと、ただ原料を石油から植物に変えただけの化粧品合成成分が、人体への安全性と環境への配慮をなおざりにしたまま「使用可」とされてしまいかねない状況があります。
化粧品の安全性を求める消費者が持つべきことは、たとえ植物原料であっても、自然界にない、有害性のある合成成分を作ることができるという認識です。

「日本オーガニックコスメ協会」としては、従来は石油で作られていた「プロパンジオール」、「セテアリルアルコール」、「BG」などが、植物原料に変わったとしても、それらは、オーガニックコスメ認証基準では、「使用不可」にすべきだと考えています。そうする理由には、「疑わしきものは使用せず」という予防原則が含まれています。

グリーンケミストリーという考えをさらに発展させるために

自然界は、もともと完全とも言えるほどの循環システムを確立していました。それはあまりにも完璧だったので、長い間、ほとんどの人々はそうしたシステムがあることに気づかないほどでした。しかし近年になって急速に進んだ化学が様々な合成成分を作り出し、それらの成分は人工的な実験室という場を抜け出し、広々とした自然界全般に存在するようになりました。

気が付くと、それらの人工的な合成成分によって、じょじょに自然の循環システムがほころび始め、大気、水、大地に汚染が広がり、そして現在は深刻なまでの環境破壊となって現れています。
グリーンケミストリーは、何よりもまず、もともとあった自然の循環システムに敬意を払うことが求められます。それを傷つけることがないよう、様々な観点から総合的に検証してこそ、21世紀にふさわしい化学」として、真の意味で有益なものとなっていくことでしょう。

(文・水上洋子)

 

「ヌーヴェルエステティック(日本版)82号」に、 日本オーガニックコスメ協会の取材記事が掲載されました。

「ヌーヴェルエステティック(日本版)82号」に、日本オーガニックコスメ協会の取材記事が掲載されました。
ヌーヴェルエステティック(日本版)82号

ヌーヴェルエステティック(日本版)82号

テーマは、「オーガニックコスメの歴史と現状・認証制度」(6ページ構成)。

最新のオーガニックコスメ情報がわかります。

掲載原稿

ヌーヴェルエステティック(日本版)82号 16p~21p

詳しくはこちら
PDFはこちら


ヌーヴェルエステティック

オーガニックコスメの歴史と現状・認証制度

ご存知ですか?
「オーガニックコスメ」の言葉は日本が最初に使用したことを!

協力:日本オーガニックコスメ協会
TEXT : ATSUKO TAMURA COMPOSITION : MINORU IKEDA

「オーガニック・コスメ 上手な素肌の守り方」(双葉社)
2001年に刊行された。おそらく公の場でオーガニックコスメという言葉が初めてこの本の中で使われた。環境NGOアイシスガイアネットの編集チームが生み出した造語だ。


ナチュラルコスメの先進国ドイツのスーパーでは、ビオ製品と一緒に数多くのオーガニックコスメが販売されている。

オーガニックコスメの歴史

オーガニックコスメの歴史をみると、それは古代世界から始まりました。まだ農薬もなく石油成分由来の合成成分もなかった少し前の時代まで続いていました。日本オーガニックコスメ協会の水上洋子さんが変遷を説明してくださいました。

「長い間、世界各地の人々が身近な植物やクレイを使ってスキンケア品を手作りし、健康な素肌を保つために使ってきました。とくに古代エジプトではアイシャドー、チーク、ルージュ、香水など現代の化粧品の元となるアイテムがほとんど使われており、考古学博
物館に展示されています。実際、現代のオーガニックコスメには世界各地の伝統的な植物療法の知識が活用されています」

 2002年からフランスの認証団体エコサートがコスメの認証を始めましたが、このときもまだ「オーガニックコスメ」の認証ではなく、コスメの「オーガニック」認証という
ものでした。その後、2008年になって新たに化粧品認証団体「ネイトゥルー」が設立され、この頃からヨーロッパではオーガニックコスメという言葉が一般的に普及していきました。

オーガニックコスメの基準はあるのか

 「有機食品の世界統一基準はありますが、オーガニックコスメの統一基準は世界でもまだありません。そのため、メーカーが独自にオーガニックコスメとうたって宣伝できる現状です」と水上さん。

 日本でもいくつかの認証団体が各々の基準で化粧品の認証を始めているが、一般的に認知されているわけでもなく、他に規制力もありません。したがって取得するだけの価値があると受けとめられていないのが現状です。一方で海外のオーガニックコスメやナチュラルコスメについて信頼できる統一基準があるかといえば、やはり基準は各団体で異なる状況が続いています。ヨーロッパには、イギリスの「英国土壌協会」、フランスの「エ
コサート」、イタリアの「イチュア」、ドイツの「デメター」など有名な民間団体があります。これらはもともとオーガニック食品(農産物、加工食品)の認証をしてきて、コス
メ認証は後のことです。そのため基準が団体によって異なるのです。ちなみに有機食品に世界統一基準を作ったのはドイツのボン市に本部をおく国際NGOの「IFOAM国際有機農業運動連盟」です。

コスメの場合、乳化剤や持続性が高い防腐剤などが求められます。どの成分を「使用可」にするかの判断によって、各団体の基準が異なってきます。その結果、ヨーロッパではオーガニックコスメの統一基準を作ろうという
動きが出てきました。2010年に世界統一のコスメ基準作りを目指して新たな認証団体「コスモス」が設立されました。参加したのはBDIH、エコサート、英国土壌協会、イチュア、コスメビオの有名な5つの認証団体です。

「コスモス」は2017年1月1日より5団体が共通した基準でコスメ基準を実施していくとしています。

 ヨーロッパのオーガニックコスメ認証を取得した化粧品でも石油系の合成成分が使われていることがよくあるのも事実です。日本の消費者の多くがヨーロッパは認証基準が厳しく、石油成分はすべて使用禁止と考えていますが、そうではありません。「コスモス」認証においても合成防腐剤や合成界面活性剤などいくつかの石油系合成成分が使用可とされています。例えば「安息香酸とその塩類」、「ソルビン酸とその塩類」、「サリチル
酸とその塩類」、「ベンジルアルコール」、「デヒドロ酢酸」などです。これらは防腐剤や殺菌剤として用いられる合成成分です。そうした使用について、「コスメの世界統一認証基準は、今後、オーガニック&ナチュラルコスメの製造方法に与える影響が大きいだけに石油系合成成分の『使用可』については不安が残ります。もともとオーガニック&ナチュラルコスメは人体にとって安全性が高く、環境にも負担をかけない持続可能な製品だからこそ消費者から大きく支持され、期待されてきました。消費者のオーガニックコスメやナチュラルコスメへのさらなる信
頼を高め、また製造者の安全な製品作りを奨励していくためにも、ノン石油系合成成分、自然界に循環できる天然成分を基本としたコスメ認証基準作りをしていくべき」と「日本オーガニックコスメ協会」は考えています。

コスモス認証基準で使用可とされている、石油系合成成分の例

※旧表示指定成分とは、日本の旧厚
生省がアレルギー性の怖れがあるとして、表示義務を定めた成分です。

安息香酸およびその塩類 防腐剤 旧表示指定成分
サルチル酸およびその塩類 防腐剤 旧表示指定成分
ソルビン酸およびその塩類 防腐剤 旧表示指定成分
デヒドロ酢酸およびその塩類 殺菌剤 旧表示指定成分
ベンジルアルコール 殺菌剤 旧表示指定成分

ケミカルコスメとの比較

 いろいろと合成成分が入り混じったオーガニックコスメが多いので、ここでは「本物のオーガニックコスメ」とケミカルコスメの違いを水上さんに説明していただきました。

 「ケミカルコスメは石油由来の合成成分が多用されています。合成界面活性剤、合成防腐剤、合成溶剤、合成色素、合成香料などで石油を燃料にする過程で出てくる副産物から誘導された合成成分です。実際、水以外はすべて石油由来成分というケミカルコスメも少
なくありません。一方、オーガニックコスメは石油原料の合成成分は基本的に素肌にとって望ましくないという考えが根底にあります。そのためオーガニックコスメは美容植物を化粧品原料の基本としています。防腐方法についても植物や植物由来のものが使われています。ケミカルコスメがパラベンやフェノキシエタノールなど石油系合成成分の防腐剤を使用していますが、オーガニックコスメは抗酸化力が高い植物由来成分によって保存性
を高めています。いくつかの天然成分の防腐剤を挙げると、ローズマリーエキストラクト、レウコノストック/ダイコン根発酵液、オリーブ葉エキス、カンゾウ根エキス、グ
レープシードエキストラクト、その他抗菌力があるエッセンシャルオイル類などが使われています。色素や香料についてもケミカルコスメが合成香料や合成色素を使うのに対して、植物から抽出したエッセンシャルオイルをブレンドしたものを使います」

 石油原料の合成成分には抗酸化力を期待することはできず、むしろ肌を酸化させてしまう方へ働くのは明白です。植物の場合は必ず抗酸化力をもっており、合成成分が混ざっていない本物のオーガニックコスメは肌本来の機能を守る免疫力や生命力(=輝き)を高める力を持っています。

認証方法と日本のオーガニックコスメ

 現在、日本メーカーの製品の一部が外国の「エコサート」、「BDIH」、「USDAオーガニック」、「英国土壌協会」などの有名な認証マークを取得しています。ほとんどの認証団体は2つの基準を定めており、ナチュラル
コスメ基準とオーガニックコスメ基準です。

 前者の基準は化粧品に配合されている植物がオーガニックかどうかを問いませんが、後者はオーガニック植物の割合が決められています。

 コスメ認証の取得方法や手順は各団体によって異なりますが、基本的には製品についての詳細情報を記した書類審査があり、それはかなりの量になり、作成にも時間を要します。書類審査の他に必要があれば製造現場の検証も行われます。さらに認証マークの取得は1年毎と定めている認証団体も多く、そのため認証取得費用がかなりかかります。結果としてオーガニックコスメ製品の価格も上がることに繋がります。そうしたリスクがあっても消費者の信頼を得るために認証マークを取得するメーカーが増えています。オーガニックコスメの発展には難しい側面もありますが、日本オーガニック協会が新たに推奨品マークを作り、認証費用が製品普及を阻害することなく、普及していくことを目指しています。

「オーガニックコスメの場合、原料がどこの国でどのように栽培され、どのように生産加工されたのかというトレーサビリティ(生産から製造、流通まで)が問われます。例えば、バラエキスは生産地がブルガリア産なのかトルコ産なのか、有機栽培か否か、加工は誰がどのようにしたのかといった詳細が求められます。毎年の認証取得に要する時間と費用に対する批判を改善するために協会が新たに推奨品マークを作りました。リスクにならない方法を目指したものです。協会としてはコスメ認証の世界統一基準を急ぐよりも議論を重ね、消費者にも分かりやすいものにしていく必要があると考えています」と水上さんはその意図を説明します。

日本における現状と最近の化粧品から傾向を知る

 現在、日本のオーガニックコスメには石油系合成成分を一切使わずに製造されている製品が数多くあります。2013年に日本オーガニックコスメ協会監修のもとに発行された単行本「オーガニックコスメ」では石油系合成成分を一切使用していない300以上の製品がスキンケアからメイク用品にいたるすべてのアイテムが掲
載されています。そうした化粧品製造は日本では現実的なものになっています。まさに天然成分100%で化粧品を作るということにおいて、世界の最先端をいっているといえるでしょう。化粧品の成分についてはこれま
で人類が使ったことのない新成分が毎年、登場しているという現状があり、それらの成分が自然界や人体に問題なく循環できるものであるかどうかを見分けるには長い時間を要するでしょう。

 最後に「オーガニックコスメを使う消費者は成分を読み取るために勉強をしている人が多く、一般消費者のようにデザインや雰囲気で化粧品を購入することはありません。そのため、メーカーは合成成分が混じっていない本物のオーガニックコスメ製品を作ることに最大限の努力を注ぎ、ブランドの信頼を高めることができます。ヘアケア、スキンケア、メイクまで丸ごと天然成分100%の製品を使えるのが日本の現状です」と日本からオーガニックコスメという言葉が誕生した誇りを水上さんの言葉に感じます。