オーガニックコスメの認定

オーガニックコスメの認定

海外では、すでにいくつかの自然化粧品とオーガニックコスメの認証が出てきています。代表的な認証をあげると、「BDIH」、「エコサート」、「コスメビオ」、「デメター」、「英国土壌協会」、「ネイトルー」などです。

ただしこれらの認証は、各団体によって、かなり基準の定め方が異なり、化粧品の基準はまだまだ進化の途中といったほうが良さそうです。

いっぽう日本には、まだオーガニックコスメ認証はありません。「日本オーガニックコスメ協会」は、認証ビジネスやメーカーの側からではなく、消費者の立場から、オーガニックコスメの基準を提案していく予定です。

認証化粧品だから合成成分ゼロというわけではない

BDIH」の自然化粧品の基準では、合成成分について次のような規定を設けています。

  1. 合成着色料、合成香料、合成油脂、シリコン、パラフィンそのほか石油製品は使用しない。
  2. 保存料としては自然の、またはいくつかの天然由来と同等の、ということは、自然成分を模して合成された成分は許される。たとえば安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジルアルコールなどがこれにあたる。

①の規定だけを見ると、「BDIH」では、いっさいの石油原料を認可していないかのように誤解してしまうことでしょう。しかし②の規定を見ると、使ってもいい保存剤として、「安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジルアルコール」があげられており、これらは石油原料の合成保存料です。

ちなみに「安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジルアルコール」は、旧厚生省が定めたアレルギー性のある成分として認めた「102の表示指定成分」に入っています。

つまり保存料については石油原料の合成成分を認めているのであり、「BDIH」認証の自然化粧品には、いっさいの合成成分は入っていないというわけではありません。

安全な化粧品の普及に貢献するオーガニック認定基準

BDIH」は、自然化粧品についての基準を打ち出していますが、オーガニックについてはとくに規定は設けていません。これに対して、化粧品のオーガニック認証をしているのが「エコサート」です。

エコサート」は1991年に設立。フランスのトゥールーズの近くに本部をおいています。「エコサート」の認証制度は、もともと農産物の認証から始まりましたが、加工食品やオーガニックコットン、そして最近になってコスメへと、その認証の分野を広げていっています。

エコサート」の化粧品のオーガニック認証についての規定は次のようなものです。

「植物性成分の最小でも50%が認証された有機農法由来であること。より厳しい条件を満足しているものについては、たとえば『95%が有機原料製』というようなラベルもある」。また「遺伝子組み換え原料の使用は不可」という項目もオーガニック認証ならではのものであろう。

ところで「エコサート」は、合成成分については、次のような基準を定めています。

  1. 合成着色料、合成香料、合成油脂、油、シリコンおよび石油製品は使用しない。
  2. ポリエチレングリコール(PEG)とその誘導体の使用は不可。
  3. 保存料として認められるのは、安息香酸、蟻酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジル酸。加工原料は0・5%までのパラベンならびにフェノキシエタノールで保存可。

①は「BDIH」の規定と同じであり、これに②が加わっている。②のポリエチレングリコールは石油から合成された成分であり、溶剤や合成界面活性剤を作るときの基本的な原料になります。

①と②を見るかぎり、「エコサート」の認証基準では、石油原料を認めていないかに思われます。しかし③を見ると、保存料については、石油原料の合成成分を認めています。「安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジル酸、パラベン、フェノキシエタノール」は、石油原料の合成成分です。

というわけで、「オーガニック認証がある化粧品には、合成成分がいっさい入っていない」というのは消費者側の思い込みに過ぎません。

とはいえ、化粧品について認証制度については、それぞれの団体の基準事項に多少の疑問点があるとしても、安全性の高い化粧品を普及していくという点においては、一歩前進であり、多いに評価されるべきことでしょう。

オーガニックコスメの統一基準を作る動き

現在、自然化粧品やオーガニックコスメの基準は、団体によって異なっています。そんな現状を打破しようと、2008年、新たに自然化粧品やオーガニックコスメの統一基準を作ろうという動きが出てきました。

それが「ネイトルー(NaTrue)」です。

この設立の主体になっているのは、BDIHの自然化粧品の基準を設立した化粧品メーカーのメンバーと重なっています。つまり「ドクターハウシュカ」、「ヴェレダ」、「ラヴェーラ」、「プリマライフ」などである。「ネイトルー」のホームページを見ると、その目的を「自然化粧品とオーガニックコスメを推進していくこと」をうたっています。

ネイトルー」は、EU本部があるベルギーのブリュッセルに本部をおくことによって、自然化粧品とオーガニックコスメの世界統一基準を作ろうという意気込みをうかがわせています。

ネイトルー」では、オーガニック原料については、クリームやローションなどのアイテム別に水分何%、天然由来成分何%と定めた上で、次のような「星マーク」制度を採用しています。

  1. ★(ひとつ星) オーガニック成分70%未満
  2. ★★(二つ星) オーガニック成分70%以上95%未満
  3. ★★★(三つ星)オーガニック成分95%以上

ネイトルー」の成分についての基準は次のようなものです。

    ネイトルー」においてはすべての原料(水を除く)は次のどれかに該当し、
    そのほかの物質は排除される。
  1. 天然
  2. ネイチャーアイデンティカル (鉱石やクレイなど)
  3. 天然に近い素材

これを見ると、「ネイトルー」は、いっさいの合成成分を認めない基準を定めているかのように思われますが、そういうわけではありません。

「3、天然に近い素材」の中には合成保存料や合成界面活性剤も認められており、最高15%の合成原料を含むことが認められている。

たとえば「ネイトルー」は、合成界面活性剤については、次のようなものを認めています。「化学反応の数を最小に抑えた合成界面活性剤の使用は可。たとえばココサルフェート、ココグリコシド、ココグルタメートなど」。

ネイトルー」でも、使用していい合成成分については、独自のポジティブリストを作り、その配合比を定めています。

これまで述べてきた化粧品認証のほかにも、「ビオマーク」(フランス)、「英国土壌協会」(イギリス)、「ACO」(オーストラリア)など現在、各国でさまざまな団体が化粧品認定を始めています。「認証マークがついている化粧品には合成成分が入っていない」と考える人も多いようだが、これらの認証団体では、合成成分についてそれぞれポジティブリストを作っています。

今、いろいろな団体による化粧品の認証が出てきていますが、安全性の高い化粧品を普及していくという点においては、多いに評価されるべきことでしょう。

とはいえ自然化粧品やオーガニックコスメの認証基準は、どこまで消費者側に立っているのか?  今の製造技術の限界に妥協する形で作られることはないのか?という懸念もないわけではありません

ぜひ環境を守り、消費者側にたつという方向で討議を重ねながら、化粧品の基準を進化させていってほしいものだと願わずにはいられません。

海外のコスメ認証の基準

以下、それぞれの認証基準について比較のために箇条書きしたものを列記しました。(BDIHエコサートデメターの資料については、毎年オーガニックEXPOを主催しているABC事務局より提供していただきました)。

BDIH(ドイツ・本部マインハイム)の自然化粧品の基準
2001年から自然派化粧品の基準がスタートする。

  • 動物由来の原料は、生きた動物からのみ可。
  • 原料や製品に対する動物実験は一切行わないこと。
  • 合成着色料、合成香料、合成油脂、シリコンパラフィンそのほか石油製品は使用しない。
  • 保存料としては自然の、またはいくつかの天然由来と同等の、ということは、自然成分を模して合成された成分は許される。たとえば安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジルアルコールなどがこれにあたる。この場合「保存料として○○○○を使用」と明記すること
  • 原料や製品のために放射線照射は行わない。

エコサート(フランス)
1991年に設立。化粧品認証は数年前から始める。

  • 最終製品には内容製分全体の最小でも5%の有機認証された成分を含むこと。
  • 植物性成分の最小でも50%が認証された有機農法由来であること。より厳しい条件を満足しているものについては、たとえば「95%が有機原料製」というようなラベルもある。
  • 動物由来の原料は、生きた動物からのみ可。
  • 最終製品の動物実験は不可。
  • 合成着色料、合成香料、合成油脂、油、シリコンおよび石油製品は使用しない。
  • ポリエチレングリコール(PEG)とその誘導体の使用は不可。
  • 保存料として認められるのは、安息香酸、蟻酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンジル酸。加工原料は0.5%までのパラベンならびにフェノキシエタノールで保存可。
  • 遺伝子組み換え原料の使用は不可。
  • 原料や製品のために放射線照射は行わない。

ネイトルー(ベルギー)
2008年に成立設立。

  • 75%以上のアイテムが、ネイトルー基準で自然化粧品またはオーガニック化粧品と認定されなければならない。
  • 化学反応の数を最小に抑えた合成界面活性剤の使用は可。たとえココサルフェート(硫酸ヤシ油)、ココグリコシド、ココグルタメート(グルタミン酸ヤシ油)など。また完全に生分解性がある界面活性剤に限る。
  • NaTrueにおいてはすべての原料(水を除く)は次のどれかに該当し、 そのほかの物質は排除されます。
    1. 天然
    2. ネイチャーアイデンティカル(鉱石やクレイなど)
    3. 天然に近い素材(合成防腐剤、合成界面活性剤を含む)

コスメビオ(フランス)
2002年に設立。使用原料の95%以上が、自然由来またはオーガニック栽培による原料でなければならない。ただし、現時点で自然な形では入手不可能な原料については、微量の合成物質の使用は認める。これらの原料は、PEGやシリコン、石油化学原料由来以外のものに限られており、COSMEBIOが提示する厳しい基準に合致していなければならない。

  • 植物性の原料については、95%以上がオーガニック原料でなければならない。
  • 合成香料、合成色素を使用していない
  • パラベンやフェノキシエタノールなどの、合成保存料を使用していない。
  • 石油化学物質(パラフィン、シリコン、PEG)を使用していない。
  • 遺伝子組み換えされた原料を使用していない。
  • イオン化処理をしていない
  • 自然に対する配慮は、自然のバランスを守ることや、動物実験の禁止など、あらゆる分野に及ばなければならない。
  • 製造過程で環境汚染をしてはならない
  • 包装はリサイクル可能または生物分解可能なものでなければならない。
  • 消費者に対し、化粧品に使用している原料や完成品にいたるまでの製造過程をすべて明示しなければならない。
  • ナチュラル原料およびオーガニック原料の比率は、BIOやECOのロゴがある製品のパッケージにはっきりと記載しなければならない。

デメター(ドイツ)
シュタイナー農法あるいはバイオダイナミック農法に準拠し、最終製品までも厳しい基準を適用。化粧品の認定は、すべてデメター認定があるものを配合したものに限って認めています。

  • 水以外の全成分の90%がデメターをクリア。デメターでは、使用される植物やみつろうについてバイオダイナミック農法の厳しい基準を適用している。
  • 鉱物・金属由来の添加物は可。
  • 遺伝子組み換えの作物や組織の添加物は不可。
  • 原料や製品に対する動物実験は行わない。
  • 天然由来と同等の合成成分は不可
  • 揮発性油、植物エキスは使用可。
  • 無着色、無漂白の植物性あるいは動物性ワックスは使用可。
  • ごく少量のグリセリン、二酸化チタン、クエン酸は可。石油原料のポリエチレングリコールとその誘導体やパラベンなどの保存料は不可。

日本のオーガニックコスメ事情

正式名称:©日本オーガニックコスメ協会
Japan Organic Cosmetics Association(JOCA)
事務局:〒192-0362 東京都八王子市松木35-16
TEL:042-679-9671 FAX:042-679-9672