新しい有効成分は、本当に安心安全及び効果があるのか?    ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどについて

最近は、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンが三大保湿成分としてもてはやされています。

これらは近年になってから登場した有効成分ですが、新成分であるがゆえに、その使用については慎重に熟慮すべきではないでしょうか。

これらの新成分について危惧する理由は、詳細な製造法が非公開であったり、原料のトレサビリティ―が困難であったりすることも多いからです。

また原料や製造法によっては、副作用が出ている事例もあります。

一見、科学的である「有効成分」を配合することで、消費者を説得しやすく、販売という面からみればメリットはありますが、実際に美容効果を発揮するのか、副作用はないのかという点については、まだまだ議論の余地があります。

有効性についての疑念

たしかにヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンは、ヒトの細胞のハリや潤いを保つのに必要な成分ですが、はたして動物や植物から抽出されたヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどが、本当に効果があるのかについては、様々な疑問が呈されています。

たとえばコラーゲンは、肌のハリにとって欠かせない成分ですが、それはその人の細胞が産出したコラーゲンだからこそ働けるのであって、ほかの動植物から得られたコラーゲンを肌に塗っても、肌にハリをもたらす効果はなく、単に一時的な保湿成分になっているだけと報告されています。そこには、大きな論理的な飛躍があるわけです。

確かにコラーゲンは肌のハリにとって必要というのは科学的な常識ですが、他の動植物から得たコラーゲンを肌に塗ってもハリになるかのように思わせてしまうのは、メーカーが消費者の勘違いを誘導しているとも言えます。

新しい有効成分を配合する傾向が進むと、何かの抽出物を寄せ集めた、サプリメントのようなオーガニックコスメが増えるのではないかという懸念もあります。

バイオ化学と化粧品成分

また現在、バイオ化学の推進によって、ナノ化されたヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンが多く出回るようになっているのも気になるところです。

さらに加水分解という処理の分野でもバイオ化学技術が促進されており、その際、遺伝子組み換えをした微生物が作り出した酵素が使われていることもよくあり、安全性の確認については、いわゆる専門家や化学者の意見をうのみにせず、オーガニックや自然という視点からの情報収集と見極めが求められます。

予防原則について

近年の化粧品の歴史を振り返ると、化粧品の合成成分が安全なものとして認められてきた場合であっても、後になってそのリスクが判明することが多くありました。

そのような事情を踏まえて「日本オーガニックコスメ協会」は、欧米で取り入れられてきた「予防原則」という概念を重要と見ております。化学物質や遺伝子組み換え、バイオ化学などの新技術については、科学的な因果関係や安心安全性の有無について十分証明されていない場合でも、あらかじめリスクを避ける「予防原則」を、「JOCA推奨品基準」においても尊重すべきと考えています。

食べ物と同じくらいナチュラルな化粧品を

「JOCA推奨品マーク基準」では、天然成分100%、完全に合成成分フリーということを基本条件にしておりますが、同時にとくに有効成分につきましては、伝統的な植物を丸ごと使ったものが最も望ましいと考えております。

その理由は、伝統的な植物の場合は、何千年にもわたって、人々が実際に試し、その効果や安全性が実証されていると考えられるからです。いわば長い年月をかけた臨床実験が済んでいる原料と考えられます。

そこには、出来る限り食べ物と同じレベルで化粧品成分を捉えることが、最も安心安全を見極める方法だという考えがあります。

しかしともすれば化粧品は、食べ物ほど、安心安全性を求めなくてもいいと考えられがちです。食品に含まれている有害なものは、肝臓や腎臓という器官が無害化する働きによって排出されますが、化粧品の場合は、「経皮毒」という言葉があるように、無害化する器官を通過することなく、直接に血流に運び込まれてしまいます。その結果、化粧品に含まれる有害なものは、身体のあちこちに長い間排出されないまま蓄積されるため、深刻な病因の原因となります。そのことを考えると、食べ物と同じレベルで化粧品を考えることが妥当であると思い当たります。

はたして「セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン」などを含む食品を積極的に食べたいとは思わないように、化粧品だから構わないということにはならないのではないでしょうか?

ひとつの植物成分と「セラミド、ヒアルロン酸」などの違いは何でしょうか?

セラミド

ヒアルロン酸

動植物から抽出されたセラミドやヒアルロン酸は、ひとつの化学式であらわすことができます。いっぽうラベンダーエキスという植物成分には、数多くの化学式であらわされる微細成分が集まっています。一説には、ひとつの植物には、4千以上もの化学式であらわすことができる微細成分が含まれていると言われています。(その中には、現代科学でもまだ発見されていない成分もあります)。

オーガニックコスメとは、そのような、膨大な数の成分を含んでいる植物の力を、肌の美と健康のために利用することを前提とした化粧品なのではないでしょうか?

長い歴史の中で経験的に得られた植物の力を、あるがままの自然の力を活用することが、本来のオーガニックコスメの在り方と言えるでしょう。

時代の流れの中で進化するコスメ認証基準

これまで「JOCA推奨品基準」では、ヒアルロン酸につきましては、にわとりのトサカ原料ではなく、植物原料のバイオ合成成分については、「使用可」としていましたが、今後は、セラミド、コラーゲン同様に、見直していく方針です。
「JOCA推奨品基準」は、決して固定されたものではなく、その都度、必要があるときには、時間をかけて見直し、より消費者の信頼に応えられるよう改善して参ります。

様々な分野で、日々、目まぐるしく新たな技術や変化が登場するこの時代に合って、「日本オーガニックコスメ協会」は、常に消費者の美と健康、そして環境を守る活動に貢献していきたいと考えています。

                                   

 水上洋子