オーガニックコスメ推奨品マークについて

「日本オーガニックコスメ協会」は、
消費者の立場から、
オーガニックコスメ推奨品マークを作りました
オーガニックコスメ推奨品マーク
 

オーガニックコスメ推奨品マークについて

オーガニックコスメという、新しい言葉の誕生

「オーガニックコスメ」という言葉は、2001年2月、環境NGOアイシスガイアネットが制作した単行本のタイトルとして誕生した造語です。

「日本オーガニックコスメ協会」は、この環境NGOアイシスガイアネットを母体として、消費者の立場から、本当に安心できる化粧品情報を伝えるために2007年に設立されました。

環境NGOアイシスガイアネットは、1995年より、「人と地球にやさしいオーガニックライフ」を伝えるメディアを立ち上げようと、マスメディアに関わっていたメンバーが中心となってスタートしました。

2001年2月には、アイシスガイアネットは、単行本『オーガニックコスメ』を発行。このときこの単行本のタイトルとしたのが「オーガニックコスメ」という言葉でした。それは今までになかったキーワードで安心安全なコスメを表現できる言葉として、アイシスガイアネットの編集チームが中心となって作り出した造語でした。

消費者にとって安心安全な化粧品を伝える

「日本オーガニックコスメ協会」(2007年に設立)の活動は、世界のオーガニックコスメ認証団体、各オーガニックコスメメーカーを取材することから始まりました。そして、出版、イベント、講座などを通じて、本当に安心安全と言えるオーガニックコスメを普及する活動や様々な情報を発信し続けてきました。

「日本オーガニックコスメ協会」は、安心安全な製品を選びたい消費者のために、単行本『オーガニックコスメ』をシリーズ化し、その監修をつとめてきました。

この単行本『オーガニックコスメ』シリーズは、成分を厳しくチェックして選んだオーガニックコスメを掲載しました。この単行本シリーズは、信頼できるオーガニックコスメのバイブル本として、消費者にとどまらず、メーカー、メディア関係者、そしてコスメショップのバイヤーにも認知されるようになりました。

単行本『オーガニックコスメ』掲載基準は、天然成分100%であること

単行本『オーガニックコスメ』の掲載基準は、版を重ねるたびに徐々に厳しいものへとなっていきました。その理由は、安心安全な製品作りをするメーカーが増えたことにあります。いっぽうで単行本『オーガニックコスメ』に掲載するために、日本オーガニックコスメ協会にその掲載基準について問い合わせるメーカーもかなりの数になりました。

その結果、2009年に発行された5回目の『オーガニックコスメ』では、基礎化粧品やヘアケア製品は、天然成分100%のみを掲載することになりました。

「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マーク

  消費者の立場、そして「自主的なNGO活動」だからこそ出来ること

15年以上にわたって、単行本『オーガニックコスメ』を発行してきた経験をもとにして、さらに消費者に安心安全な情報を伝えるために、現在、「日本オーガニックコスメ協会」は、オーガニックコスメの基準を定め、それにもとづいた推奨品マークを提案することにしました。

この推奨品マークは、消費者の立場から、安心安全なオーガニックコスメを選びやすくすることが一番の目的です。次にメーカーがより安全なオーガニックコスメを製造するさいの指針になることを目的として作られたものです。さらには、このオーガニックコスメの推奨品マークの基準を伝えることにより、「衣食住」丸ごとオーガニックライフの普及に貢献することができると考えています。

推奨品マークの目的

オーガニックコスメ推奨品マーク
  1. 消費者が安心安全な化粧品を選びやすくする。
  2. 安心安全なオーガニックコスメ製造の指針となる。
  3. 「衣食住」丸ごとオーガニックライフの普及を促す。
 

※推奨品マークなどについての詳細は、「日本オーガニックコスメ協会」にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

 

「日本オーガニックコスメ協会」推奨品の基準概要

消費者の立場を優先した基準作り

ドイツの認証団体を取材中の「日本オーガニックコスメ協会」。

現在、世界中(アメリカ、ヨーロッパ各国、オーストラリアなど)の様々な団体がオーガニックコスメ認証を行っています。しかし現在のところ、その基準は団体によって異なり、世界共通の認証基準はありません。

これらの認証基準を比較検討していくと、消費者の立場というより、企業や認証団体の立場を優先してその基準を定めている事情がかなりあることは否めません。

 

たとえば化粧品製造にとって、防腐剤や界面活性剤は、安定した効果が求められるため、オーガニックコスメ認証において、石油系合成成分を一部、「使用可」とする基準を定めている認証団体もかなりあります。

また認証団体としては、あまりに基準を厳しいものにすると、認証する製品が少なくなってしまい、認証ビジネス的にみると魅力のないものになってしまいます。

そうした現状にあって「日本オーガニックコスメ協会」は、あくまでも消費者の立場を優先して、オーガニックコスメ推奨品の基準を定めました。

オーガニックコスメ推奨品が「使用可能」とする基本原料について


オーガニックコスメ推奨品マーク

「日本オーガニックコスメ協会」は、オーガニックコスメ推奨品に使われる、基本的な原料は、もともと自然界にあり、自然界で循環することが出来、自然界のバランスを壊すことがないものであるべきと考えています。

 

オーガニックコスメ推奨品が認める基本原料について、具体的な条件は、次のようになります。

  • 石油と石油由来合成成分を使っていないこと。資源的に有限であり、かつ自然界にない合成成分のもととなった石油を使っていない原料であること。(また石油を使わないもうひとつの理由として温暖化への配慮もある)。
  • 植物、粘土、鉱石類のように、自然界の中で生まれ、循環することができ、自然のバランスを壊す懸念のない原料であること。
  • 人為的な化学的操作によって、もともとの自然の組成を変化させることで新たに作られた、自然界にない成分は「使用不可」とする。
  • 石けんのように、長年にわたって使われてきて、環境や肌に対して、無害であることがわかっている原料であること。
  • 使用する植物については、認証取得の有無を問わず、実際に農薬や化学肥料を使わずに栽培されたものであること、あるいは野生植物を使用した原料であること。
  • 脊椎動物を殺傷しなければ得られない原料ではないこと。
    例、鯨油、馬油、鶏のトサカから得られるヒアルロン酸、サメから得られるスクワレンなど。

    ※ただし殺傷しなくても得られる羊毛由来のラノリンなどは、動物愛護の精神を尊ぶEUの基準に準じて使用可としています。
  • 原料の殺菌方法として、放射線などの照射をしていないこと。
  • 先人の経験によって安全性と有益性が確かめられた伝統的植物であること。

※日本オーガニックコスメ協会が「使用可」としているすべての原料については、協会が作成している「化粧品成分辞典」で確認することができます。→
https://jocadic.site

ドイツのオーガニックコスメ
メーカー訪問。

BDIHの認証基準について、グランデル博士を取材。

IFOAM世界大会(ソウル)でのコスモス認証発表会議に参加。

 

オーガニックコスメ推奨品は100%天然成分で製造されたもの

先にオーガニックコスメ推奨品の基本的な原料の基準について記載しましたが、製品として完成させるためには、基本原料に加えて、防腐剤にどのような成分を使うのか、また乳化剤、洗浄剤、粘性成分、溶剤として、どのような成分を使うのかが課題になってきます。

とくに化粧品メーカーにとって、難しい課題は、乳化や防腐をいかにして安定させるかです。

たとえばオーガニックコスメ認証がある製品でも、その成分をよく見てみると、たしかにオーガニック植物は使われているけれども、乳化剤や防腐剤は自然界にはないものが使われているということもしばしばあります。事実、多くのヨーロッパの認証団体の基準を見ると、オーガニック植物原料の使用規定があるけれども、一部の石油由来の防腐剤や界面活性剤が「使用可」とされており、消費者の間に認識の混乱を起こしているという現状があります。

「日本オーガニックコスメ協会」が推奨するオーガニックコスメが目標とすべきことは、100%天然成分で製造されたものであることです。

現在、化粧品は、天然成分のみで作るということが技術的に難しいと考えられており、これをクリアしている化粧品は、多いとは言えません。しかし天然成分100%で製造された製品が、オーガニックコスメと呼ぶに値すると日本オーガニックコスメ協会は考えています。

たとえばその化粧品にオーガニック認証の植物原料が使われているだけで、そのほかの成分として乳化剤や防腐剤が自然界にないものが使われている製品は、オーガニックコスメ推奨品として認めていません。

 

オーガニックコスメ推奨品が求める製造方法について


オーガニックコスメ推奨品マーク

オーガニックコスメ推奨品は、オーガニックコスメは、天然成分100%製造することに加えて、その製造過程においても合成成分を使わないことを求めています。

たとえば植物エキスの溶剤は、「水、発酵醸造エタノール、植物油、グリセリン」など、天然成分の溶剤を使うことが条件になります。いっぽうで石油の合成成分などの溶剤の使用は認めていません。

そのほか完成製品の殺菌法として、放射線などの照射は認めていません。

さらにオーガニックコスメ推奨品は、製造工場から外部に合成成分を排出するなどの環境に負担をかけないことを求めています。環境と共生できる製品作りは、未来の世代が健康に生きられるように汚染のない地球を残していくためにもぜひとも必要なことです。

 

オーガニックコスメ推奨品が求める製造方法について、具体的な条件は次のようになります。

  • 完成品が、天然成分100%で製造されていること。
  • 乳化方法について合成界面活性剤を使わずに天然成分で実現していること。
  • 洗浄成分について合成界面活性剤を使わずに天然成分で実現していること。
  • 防腐および保存性を高める方法について、合成防腐剤成分を使わずに天然成分で実現していること。
  • 植物エキスの抽出、加工、漂白などにおいて、合成溶剤を使っていないこと。
  • 完成品の殺菌方法として、放射線などの照射をしていないこと。
  • 製造現場より、環境に負担をかける合成成分や有害物質を排出していないこと。

環境先進国ドイツのオーガニックスーパーには、食品だけではなくナチュラルコスメが並んでいる。

オーガニックコスメ推奨品マーク普及活動の目的

  • 消費者が確かな製品情報を得て、本当に安心できるコスメを選べるようになること
    (※現在、化粧品は全成分表示になっていますが、ひとつひとつの成分がどのようなものなのかについてわかる消費者はごく希少です)
  • 化粧品成分についてわかる消費者が増えることによって、それをきっかけにして、「衣食住」オーガニックなライフスタイルを普及させていくこと。

今後も「日本オーガニックコスメ協会」は、出版、オーガニックコスメ・アドバイザー講座、セミナー、イベント参加などを通じて、消費者の立場から健康と美のためのオーガニックコスメ情報を伝える活動をしていきます。