オーガニックコスメとは
「オーガニックコスメ」という言葉が誕生
「オーガニックコスメ」という言葉は、今では多くの女性誌や新聞も取り上げるようになりました。その言葉は海外から来たものと思っている人も多いようですが、じつは日本発のもの。2001年に、環境NGOアイシスガイアネットが、単行本「オーガニックコスメ」を発行したときに作った言葉です。当時は「オーガニックコスメって何?」と質問されるような時代でしたので、「このタイトルは奇抜すぎるから自然派化粧品というタイトルにしたほうがいいのでは」という意見も出ました。
でもあえて自然派化粧品というタイトルを選ばずに、「オーガニックコスメ」というタイトルに決めました。
その理由は、アイシスガイアネットとしては、ただ自然素材の化粧品というだけではなく、古くから伝えられてきたナチュロパシー(自然療法)を再評価し、それを現代の生活の中によみがえらせたいという思いがあったからです。
20世紀になってから世界中に普及した、石油原料で作られた日常生活用品に疑問を投げかけ、私たちを真に美しく健康に保つ自然なものを取り戻そうという運動のひとつにしたいという考えから、「オーガニックコスメ」という言葉にこだわったのです。
環境NGOが「日本オーガニックコスメ協会」を設立
2007年、NGO『アイシスガイアネット』は、2001年から発行してきた「オーガニックコスメ」を基盤にして、新たに「日本オーガニックコスメ協会」を発足させました。それは、「オーガニックコスメ」の基準について教えてほしいという問い合わせが増えたためです。
「日本オーガニックコスメ協会」は、2007年、10月に開催した「オーガニックEXPO」で、『アイシスガイアネット』のブースからデビューしました。
「日本オーガニックコスメ協会」の活動目的は、日本で販売される「オーガニックコスメ」について、消費者の立場から基準作りをしていくことです。歴史をふりかえると明らかなように、「オーガニックコスメ」は、化粧品業界のマーケティング戦略から生まれた言葉ではありません。安心安全を求める消費者と、環境保護運動と歩みをともにしたいという思いから作られたものです。
農薬だけではなく、戦後、私たちの生活には、化粧品、食品添加物、プラスチック、建材、石油から作られた化学成分があふれています。
「オーガニックコスメ」とは、化学物質漬けになっている現代から脱し、新たなライフスタイルへと向かうために作り出された言葉なのです。
何千年にわたって使われてきた美容植物
じつは石油を原料とした合成成分で化粧品が初めて作られたのは、ほんの100年前、日本に入ってきたのは約60年前のことです。それ以来、さまざまな肌トラブルに悩む女性が世界中で増え続けています。
それに対して「オーガニックコスメ」とは、世界各地の伝統的な自然療法に学び、安全性が高い天然成分を使おうという意図を持った化粧品です。
インドの自然美容家であるシャイナーズ・フセインは、その著書『ハーブの美容法』の中で、次のように植物への信頼を語っています。
「私たちの祖先は、植物の持つ偉大な治癒力を信じ、基礎的な美容法を自然の中から見い出しました。何千年前からある植物療法の特徴は、人間が持つ機能に直接にはたらきかけ、からだ自身に本体のバランスを取り戻し、より強い組織を自然に育んでくれることです」。
ほんの100年ほどしか歴史がなく、新しく出てきたばかりの合成成分を多用した化粧品と、何千年何百年も使われて安全性が確かめられている自然素材の化粧品。どちらを使うかは、それぞれの女性の選択にまかされています。