オーガニックコスメの成分

天然の防腐方法

今の自然化粧品メーカーの製品を眺めてみると、防腐剤に関しては、すでに合成防腐剤にたよらない製品作りをしているところが多くあります。たとえば抗酸化力の高い植物エキス、防腐効果のあるエッセンシャルオイル、エタノールなどによって防腐効果を実現しています。つまり今や多くの自然化粧品メーカーは、合成防腐剤にたよることなく、製品を作るレベルに達しているといっていいでしょう。

<天然の防腐の例>
ヒノキチオール、ローズマリーエキス、ティトリー油、セージ油、銀、エタノール(穀物などを発酵醸造したもの)、クマザサエキスなど

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天然の洗浄成分

自然化粧品メーカーでは、洗顔料やシャンプー、ボディソープの洗浄成分としては、石けんがよく使われています。石けんは天然成分ではなく、人間の手が加えられているので、合成成分だろうという声もあるが、5000年以上にもわたって、環境と生物にとって安全なものであることが認められています。

穀物のサポニンや粘性を洗浄成分にしている自然化粧品もあります。それが、ぬか、あずきの粉、豆の粉などを使った洗顔料です。

また酵素の洗浄力を活用した美白洗顔料として、鶯のフンなどが日本では使われてきました。
クレイ(粘土)もまた自然化粧品では、よく洗浄成分として使われています。クレイのガスールは、モロッコで伝統的に使われてきた洗浄成分です。

<天然の洗浄成分の例>
石けん、ぬか、あずきの粉、うぐいすの粉、クレイなど

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天然の乳化成分

今の自然化粧品の大きな課題となっているのが、クリームや乳液の乳化です。

通常の化粧品は、じつに2000種類にもあると言われている合成界面活性剤のいずれかを使って乳化していますが、自然化粧品で使われている、安全性の高い乳化成分はわずかです。

クリームや乳液を乳化するには、水と油を混ぜる界面活性剤が必要です。日本のある自然化粧品メーカーは、洗浄成分と同じく、乳化も石けんを使うことで安全性をクリアしています。いわゆる「石けん乳化」です。

そのほか天然の乳化成分としては、日本の自然化粧品メーカーでは、レシチンなどがよく使われています。また水添レシチンは、厳密に言うと、天然成分とはいえませんが、より天然に近く、安全性の高い乳化成分と言われています。

いっぽうドイツの自然化粧品メーカーでは、羊の毛の油から抽出したラノリンを使うところもあります。ただしラノリンは、化学溶剤を使って抽出されることが多いので、その残留を懸念する声もあります。

現在、ドイツの自然化粧品メーカーの多くは、洗浄成分や乳化のために、植物原料の合成界面活性剤を使うことが多いようです。ヨーロッパの自然化粧品の認証基準のほとんどは、植物原料の合成界面活性剤の使用を認めています。ただし植物由来の合成界面活性剤は、石けんと異なり、新しく作られた成分なので、肌にとってまったく問題がないかは、まだまだ検証を要するものです。

<天然の乳化成分の例>
石けん、レシチン、ラノリン、えんどう豆エキス

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天然の色素

メイク用品などを作るとき、自然化粧品メーカーでは、鉱石もしくは鉱石と同じ成分を使うことが多いようです。その代表的なものが、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛などです。

赤い色は、エンジ虫からとられたカルミンと呼ばれる色素がよく使われています。

そのほか、日本のメーカーのなかには、紅花やクチナシなどの、植物色素を使うところもあります。

天然の色素の例
酸化鉄(茶)、酸化チタン(白)、酸化亜鉛(白)、カルミン(赤)、紅花(赤)、クチナシ(黄色)、孔雀石(青)

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天然の香料

2001年4月に日本でも化粧品の全成分表示が義務づけられるようになりましたが、香料については、ラベルには「香料」とのみ記されるので、それが合成香料なのか、天然の香料なのかは見分けることができません。そのため自然化粧品メーカーでは、あえて香料となるエッセンシャルオイルを列記しているところもあります。天然の香料として多く使われているのが、エッセンシャルオイル(精油)です。エッセンシャルオイルは、植物の香り成分を凝縮したもので、通常は、水蒸気蒸留法で採取されます。そのほか化学溶剤を使って香料成分を採取するアブソリュートという方法もありますが、こちらは化学溶剤の残留が危惧されます。

エッセンシャルオイルは、成分が凝縮されたものなので、オーガニックな植物から抽出されたものが望ましいといえます。

<天然の香料の例>
ラベンダー油、ティートリー油、ダマスクバラ花油、スウィートオレンジ油、レモン油、サイプレス油、フランキンセンス、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、ジュニパー油 
他多数

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天然の油剤

戦後、化粧品は石油を主として作られるようになり、石油原料のミネラルオイル、ワックス、パラフィンなどが使われるようになりました。しかし自然化粧品では、昔から使われてきた植物オイルを使われています。

植物オイルには、じつにさまざまな種類があり、そこに含まれる脂肪酸の種類やその割合によって、その性質も異なってきます。粘性の高いオリーブ油、椿油、さらっとした感触のアーモンド油、マカデミアナッツ油、また保湿力が高いことで知られるアボガド油、アルガンオイル、軽い感触のひまわり油、ごま油、ひまし油、グレープシード油など、その用途によって、植物オイルを使い分けることができます。

植物油は、マッサージクリーム、洗顔料、バルサム、クリーム、乳液、シャンプーなどに使用されています。

合成の化粧品では、油剤が石油原料という1種類のオイルしかないのに、天然の化粧品では、世界各地で使われてきた、じつに多種類のオイルがあります。

<天然の油剤の例>
オリーブ油、椿油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、アボガド油、アルガンオイル、ひまわり油、ごま油、ひまし油、グレープシード油、シア脂 ココナッツ油 ココア脂

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天然の溶剤

溶剤とは、植物やそのほかの有効成分を作るときに使う漬込み用の成分です。たとえば「ローズマリーエキス」とあれば、通常は、これは天然成分だと考えることでしょう。しかし同じ「ローズマリーエキス」でも、それが合成の溶剤(BG)に漬込まれたものなのか、それとも天然醸造のエタノールに漬込まれたものなのか、あるいはほかの溶剤に漬込まれたエキスなのかなど、じつは大きな違いがあります。天然成分の化粧品を選びたいとき、この植物エキスを漬込む溶剤についても留意する必要があります。

<天然の溶剤の例>
水、エタノール、グリセリン

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天然の整肌成分

自然化粧品では、肌を保湿したり、荒れを防いだり、シミやくすみを改善する成分として、昔から使われてきた美容植物が多く使われています。たとえば日本では、ヘチマ水が化粧水としてよく使われてきましたが、へちま水には、じつに多くの美容成分が含まれていることがわかっています。保湿、くすみの改善、肌をなめらかにするなど、多くの美容効果が知られています。そのほかドクダミエキスや甘草は、肌を白くし、保湿する植物として知られています。

ヨーロッパでは、薔薇が、肌に透明感を与え、くすみを改善する植物として美容に使われてきました。またトウキンセンカやカモマイルは、肌荒れを予防し、皮脂バランスを整える植物として、クリームにもよく配合されてきました。

美容に役立つ植物は、世界各地で数多く伝えられており、それが現代の自然化粧品においておおいに活用されているのです。伝統的な美容成分は、すでに人々が何千年もかけて実際に使いつづけて、安全性は高く、その効果も熟知されていることが長所です。

<天然の整肌成分の例>
へちま、薔薇、カモマイル、ラベンダー、ドクダミ、オウバク、さくら、トウキンセンカ、レモン、甘草、セージ、ボタン、ニーム、ハマメリス、アロエ、セイヨウオトギリソウ 
他多数

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石油由来の合成成分

合成の防腐剤

現在、通常の化粧品において、もっとも多く使われているのが、パラベンです。これは石油原料から作られた合成成分であり、旧厚生省が定めた「102の表示指定成分」にも入っており、肌へのアレルギー性が認められています。またパラベンは、最近では、環境ホルモンになりうるという説も出てきました。パラベンには、「メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン」などの種類がありますが、いずれもアレルギー性が懸念されます。

フェノキシエタノールは、これもまた石油原料の合成成分ですが、「102の表示指定成分」には入っていなかったために、「無添加化粧品」ではよく使われる合成防腐剤です。フェノキシエタノールもまたパラベンと同じく、環境ホルモンになると言われています。

そのほか合成の防腐剤として、代表的なものをあげると、サリチル酸、安息香酸、ソルビン酸、ベンジルアルコールなどがあります。これらはいずれも石油原料であり、アレルギー性があるとする「102の表示指定成分」にも入っていました。

合成の防腐剤の例
パラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、サリチル酸、安息香酸、ソルビン酸、ベンジルアルコール

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合成界面活性剤

合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせるさいに使われます。その原料として、石油、植物油、動物油脂などが使われています。

合成界面活性剤は、クレンジング、洗顔料、シャンプーなどの洗浄成分として使われる場合と、クリームや乳液などの乳化成分として使われる場合があります。

合成界面活性剤の肌への懸念は、たんぱく質変性作用があるために、皮膚の深部に浸透して、じょじょに皮膚バリアを壊してしまうことにあります。現在、乾燥肌の悩みが急増しているのも、この合成界面活性剤が大きな原因となっているのではと言われています。

合成界面活性剤によって、乾燥肌になった後、さらに肌が薄くなっていき、ついには敏感肌にいたる場合も多いようです。

またシャンプーに使われている合成界面活性剤は、髪を守っているキューティクルを壊していくので、髪が細くなっていきます。頭皮もまた合成界面活性剤によってバリアが壊れていくと、毛根が害を受け、髪が薄くなっていくという不安があります。

合成界面活性剤の数は多く、現在、2000種類もあると言われています。

また最近は、石油ではなく、植物原料をうたう合成界面活性剤も多く出てきていますが、これまた使われてきた歴史が新しいために、まだその肌や髪への安全性が確認されているわけではありません。

合成界面活性剤の例
ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、クオタニウムー●、PEG(ポリエチレングリコール)-4、セテスー● ココイルイセチオンNa、他多数(●の部分は、数字が入ります)

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タール色素(合成色素)

タール系色素は83種類あり、旧厚生省が危険性を指摘した、旧表示成分です。

石油から作られるタール系色素は、ファンデーションや口紅など、多くのメイク用品に使われています。赤色202号、青色204号などの着色料がタール系色素と呼ばれるものです。

タール系色素が問題なのは、シミを作ってしまうことです。肌に紫外線があたると、メラニンが生成されます。メラニンが生成されても、肌に残らなければシミにはなりませんが、タール系色素は、メラニンを肌に沈着させてしまい、それでシミになってしまうのです。

メイク用品を使うと、まず合成界面活性剤が皮膚のバリアゾーンを壊し、その壊れた部分から肌にタール系色素が入り込んでいきます。

タール系色素にはタンパク質を壊す性質があるため、まず表皮の細胞が壊されます。そしてこの壊れた細胞に、シミの原因であるメラニン色素が沈着していくのです。

タール色素の例
赤2、赤202、赤104、青色1、青201、黄04、黄203、黒401、橙201、緑201、紫401

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合成香料

化粧品に配合される香料も、主に石油から作られた芳香性化学物質が使われています。芳香性化学物質には、ラベンダーの香りをつけるエチルアミルケトン、ライラック様のテルピネオール、甘いバラの香りに似たゲラニオール、ゼラニウムに似たジフェニルオキサイド、桂皮アルコール、安息香酸など数多くあります。

これらはアレルギーを引き起こす原因となることが知られていますが、ホルモンの分泌にも影響を及ぼすと言われています。そのほか発ガン性も疑われています。

合成香料に使われる成分の毒性については研究データが乏しく、不明なことが多いのですが、感覚や神経に直接作用するものだけに大きな不安が残ります。

「オーガニックコスメ」シリーズでは、香料は、合成のものではなく、天然の精油(エッセンシャルオイル)を使ったものだけを紹介してきました。

精油は、バラやラベンダーなど香りのある植物から、主に水蒸気蒸留法によって抽出されたもので、いわば植物の香りのエッセンスを濃縮したものです。

ただしその原料は、農薬などを使わずに有機栽培された植物を使ったものがおすすめです。最近は、日本でもさまざまな精油が紹介されていますが、安心を追及するなら、オーガニックの精油を選びましょう。

合成香料の例
アニスアルデヒド、アネトール、オイゲノ-ル、ゲラニオール、シトラール、サンタロール、ネロール、テルピネオール、フェネチルアルコール、ピペロナール、リモネン

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合成の油剤

石油がスキンケアに使われるようになったのは、1870年のこと。アメリカの油田を訪れた化学者ロバート・ケスローが石油の掘削機についていたゼリー状のものを発見し、それを精製してワセリンを作ったのです。ワセリンは、医薬品に使われるようになりましたが、当時の医者たちはこのワセリンには懐疑的でした。

「ワセリンを塗ると汗腺を塞ぎ、皮膚呼吸を妨げる」、「火傷にワセリンを塗ると、熱を帯びて悪化する」といった意見が出ていました。

やがてワセリンは、医薬品だけではなく、化粧品にも使われるようになりました。

そのほか石油から数多くの合成の油剤も作られるようになり、これもまた化粧品によく使われる成分になりました。

石油から作られる合成の油剤は、化粧品の保湿効果や安定のために多く使われています。また石油を精製した「ミネラルオイル、流動パラフィン、ワセリン」なども化粧品の油剤としてよく使われていますが、合成の油剤は、それらよりもさらに伸びがいいという理由で、クリームや乳液、ヘアコンデショナー、UVクリームなどに多用されています。しかし合成の油剤は、浸透性がいいことから、じょじょに肌の健康を損なわせる不安があります。また長年、使っているうちに肌の乾燥、くすみの原因にもなります。

合成の油剤
オクチルドデカノール、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸アルコール、オクタン酸セチル、ジステアリン酸エチレングリコール、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、リシノレイン酸オクチルドデシル

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合成の溶剤

現在、植物エキスを抽出するさいに、もっともよく使われている溶剤がBG(1-3ブチレングリコール)です。BGで抽出すると、植物エキスの保存性が高まるということでも重宝されています。しかしBGは、石油から得られる合成成分であり、長く使ううちに肌を乾燥させるという説も出ています。BGは、溶剤のほかに、クリームや乳液の保湿剤としても使われています。そのほかよく使われる溶剤が、PG(プロピレングリコール)です。こちらもまた石油から作られた合成成分であり、長期間にわたって使用し続ければ、肌に負担がかかることが懸念されます。

合成の溶剤の例
BG(1-3ブチレングリコール)、PG(プロピレングリコール)

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合成の紫外線吸収剤

有害な紫外線から肌を守るという目的において、合成の紫外線吸収剤がUVケア製品に多く使われています。SPF競争が激しくなり、高い数値のSPFがついたUVクリームに人気が出ています。しかしオキシベンゾンなどに代表される合成の紫外線吸収剤は、配合量が高くなるほど肌に負担がかかってくるので、配合上限が規制されているものが多くあります。たとえばオキシベンゾンは、配合上限10%、PABA(パラアミノ安息香酸)は4%というように定められています。

またオキシベンゾンやエチルPABAなどの紫外線吸収剤は、旧厚生省が、アレルギー性が高いとして注意を促した「102の表示指定成分」にも入っていました。合成の紫外線吸収剤は、長く使用するうちに真皮に落ち込み、かえってシミやくすみの原因になるとも言われています。

合成の紫外線吸収剤の例

オキシベンゾン、エチルPABA、ジメチルPABAオクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル、シノキサート

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キャリーオーバーとは

たとえば化粧品製造会社は、この「何々エキス」という原材料を化粧品原料会社から買ってきてブレンドしますが、ブレンド時にパラベンを加えないかぎり、あらかじめ原材料に入っていたパラベンを全成分のラベルに記載する必要がないのです。

そのように原材料にあらかじめ含まれている成分は、「キャリーオーバー」と呼ばれています。「合成防腐剤を一切、使っていない」という化粧品メーカーのパンフレットは、安心を求める消費者を引きつけますが、ラベルに記載されていないキャリーオーバー成分がないかどうかもチェックする必要があります。

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