消費者に信頼されるコスメ認証基準作りを
1. 有機食品の世界統一基準はあるが、オーガニックコスメの統一基準はまだない
2007年、ドイツのマンハイムにある「BDIH」本部にて、会長のヘラルド氏をインタビュー。
「IFOAM」本部があるドイツのボン市。
2009年、「IFOAM」本部を取材しました。
2011年、 コスメ認証基準世界会議に参加した「コスモス」のメンバー
2014年 「コスモス」の認証基準について取材。
2013年 日本オーガニックコスメ協会の監修で発行された単行本「オーガニックコスメ」
オーガニックコスメについて、日本では従来からよくこんな声を聞く。「海外には、オーガニックコスメについて認証基準があるけれど、日本にはまだないでしょう。だから日本のオーガニックコスメは信用できない」。しかしこの言葉は、正確には、当たっていない。
日本ではいくつかの認証団体が独自の基準で化粧品の認証を始めているが、ほとんどの方に認知されていない。その基準もそれぞれの団体によって異なっているため、普及性があり信頼性が高いものとして受け止められていないのが現状である。
それでは海外には、オーガニックコスメやナチュラルコスメについて、信頼できる統一基準があるのかといえば、そういうわけでもない。例えばヨーロッパには、イギリスの「英国土壌協会」、フランスの「エコサート」、イタリアの「イチェア」、ドイツの「デメター」など、有名な民間団体がいくつもある。それらの団体は,もともとオーガニック食品の認証をしてきて、後になってコスメ認証を始めたのだが、その基準は各団体によって異なるという状況が続いている。
現在、有機食品については、世界統一基準というものがある。「有機JAS」であろうと、アメリカの「USDAオーガニック」であろうと、 EUの有機基準であろうと、世界中のどこでもほぼ同じ基準で認証されている。ちなみに有機食品の世界統一基準のベースを作ったのは,、現在、ドイツのボン市に本部を置く、国際NGOの「IFOAM(国際有機農業運動連盟)」*1である。ところがコスメ認証基準においては、「IFOAM」の有機基準は適用されず、それぞれの認証団体が、独自の基準で認証を行ってきたというのがこれまでの状況である。その理由としては、化粧品は乳化剤や持続性が高い防腐剤など、食品にはそれほど必要のない成分が求められるからである。そしてどの成分を「使用可」とするかの判断により、その基準が異なってくるわけである。
いくつもの認証団体があるEUでは、コスメ認証基準がばらばらだったので、「基準がないに等しい状況」とはいえ、それはやはり好ましくないと各認証団体も考えるようになった。その結果、EUでコスメの統一基準を作ろうという動きが出てきたのである。
*1. IFOAM (国際有機農業連盟)とは。
1972年に設立されて以来、有機農業の普及に努めてきた国際的なNGOのこと。現在の有機農産物と有機食品の世界統一基準のペースは、この団体によって作られた。本部はドイツにあり、世界116カ国以上の770 団体がIFOAMに加盟している。
2.コスメ認証基準の現状把握のために、取材を重ねる
最近「日本オーガニックコスメ協会」にも「ヨーロッパのコスメ認証基準は、今後どうなるのか」という問い合わせが多く寄せられている。
2010年にEUで設立された認証団体「コスモス」*2は、 2015年からすべて統一基準でコスメ認証を実地すると言明しているが、参加団体内での意見調整が予想以上に時間がかかっているようだ。そのため期日を変更し、 2017年1月1日から統一基準の実地を目指すと発表している。コスメの認証基準には、ナチュラルコスメ基準とオーガニックコスメ基準があり、以下、 2つ合わせてコスメ認証基準として記載する。
これまで「日本オーガニックコスメ協会」は、コスメ認証基準の状況を調査するために「コスモス」のほか、[BDIH]や「エコサート」、「英国土壌協会」、「ネイトゥルー」などの認証団体、さらにドイツの各自然化粧品メーカーを訪問し取材してきた。
日本オーガニックコスメ協会は、2007年には、ドイツのマンハイムにある「BDIH」本部を訪れ、会長のヘラルド・デットマー氏をインタビュー、2009年には、有機食品の世界統一基準を作った「IFOAM」のボン市本部を訪問、2011年には、韓国のソウルで開催されたコスメ認証世界会議に参加し、「コスモス」設立メンバーである5団体と意見を交わした。そして昨年2014年には、来日した「コスモス」の広報担当者をインタビューした。
*2. コスモスとは。
2010年ベルギーのブリュッセルにおいて、ヨーロッパでは有名な5つの認証団体が参加して新たな認証団体 「コスモス」を設立した。「コスモス」設立の目的は、ナチュラル&オーガニックコスメのEU統一基準を作ることである。
今のところ、2017年から5つの団体が同じ基準によって、新製品の認証を行うと公表している。
3.消費者の安心・安全性を守るために
「日本オーガニックコスメ協会」は、何より消費者側の安心・安全性を重視した立場で、 2007年よりオーガニックコスメを普及する活動を続けてきた。
「コスモス」は、コスメ認証の統一基準を目指す団体として、現在、注目されている。しかし、その基準の詳細を検証していくと、消費者の立場から考えて、評価したい点と評価できない点があると「日本オーガニックコスメ協会」は考えている。
たとえば「コスモス」のコスメ認証基準について評価したい代表的な点とは、殺傷しなければ得られない動物由来の原料について「使用不可」としていることである。
一方、評価できない点とは、いくつかの石油系の合成成分について「使用可」としていることで、これは消費者の安心・安全性において問題があると考えている。
4. EUの自然化粧品業界は、動物由来成分の使用を禁じている
「コスモス」のコスメ認証基準では、殺傷しなければ得られない脊椎動物の部位の使用を禁止している。例えばミンクオイル、動物の油脂、コラーゲン、生細胞などである。(ただし動物を殺傷しなくても得られる牛乳、羊毛から取れるラノリンなどは認められている)。
従来、EUの自然化粧品業界では、環境保護とともに動物愛護の精神が普及している。これと同じ理由で化粧品の動物実験や実験を委託することも禁止している。今やヨーロッパの環境保護やオーガニックライフに関心がある人々にとって、毛皮製品は敬遠されている。
日本では多くの自然化粧品会社が、牛脂や馬油をブレンドして石鹸素地を製造しているが、そのような石鹸は、「コスモス」認証基準では認められない製品となる。
動物由来成分の「使用不可」については. もう1つEUで有名な認証団体「ネイトゥルー」でも同じ基準を設けている。
表1 「コスモス」のコスメ認証基準で使用可としている石油系合成成分
コカミドプロピルベタイン | 合成界面活性剤 | 石油+植物 |
アルキルアンホアセテート/ジアセテート | 合成界面活性剤 | 石油+植物 |
アルキルグルコシドカルボン酸 | 合成界面活性剤 | 石油+植物 |
炭酸ジカプリリル | エモリエント剤 | 石油+植物 |
カルボキシメチルセルロース | 増粘剤 | 石油+植物 |
ラウリン酸ヘキシル | エモリエント剤 | 石油+植物 |
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド | 帯電防止剤、増粘剤 | 石油 |
ジステアロイルエチルジモニウムクロリド | 帯電防止剤 | 石油+植物 |
安息香酸およびその塩類 | 防腐剤 (旧表示指定成分) | 石油 |
ソルビン酸およびその塩類 | 防腐剤 (旧表示指定成分) | 石油 |
サリチル酸およびその塩類 | 防腐剤 (旧表示指定成分) | 石油 |
デヒドロ酢酸およびその塩類 | 防腐剤 (旧表示指定成分) | 石油 |
ベンジルアルコール | 防腐剤 (旧表示指定成分) | 石油 |
※ 旧表示指定成分とは、日本の旧厚生省がアレルギー性の恐れがあるとして、表示義務を定めた102種類の成分である。
5.「コスモス」基準では、いくつかの石油系合成成分が「使用可」とされている
今、日本の消費者の多くがヨーロッパのコスメ認証基準は厳しく、石油系合成成分はすべて「使用禁止」と考えているが、実際はそうではない。「コスモス」認証基準において、合成防腐剤や合成界面活性剤など、いくつかの石油系合成成分が「使用可」とされている。
昨年、「日本オーガニックコスメ協会」がインタビューした「コスモス」の広報担当者は、「それは好ましくはないが現状は仕方がない」と考えていると応えた。「コスモス」認証基準では、「使用可」とされている石油系合成成分について例をあげると、「安息香酸とその塩」、「ソルビン酸とその塩」、「サルチル酸とその塩」、「ベンジルアルコール」、「デヒドロ酢酸」などで、これらは防腐剤や殺菌剤として用いられている成分である。
しかしコスメ認証基準において、石油から合成された防腐剤が「使用可」というのは、「納得できない」という消費者がほとんどではないだろうか。持続可能な原料という点からみても、やはり石油系合成成分を使うというのは、ナチュラル&オーガニックコスメにはふさわしくないと言える。
ただし[コスモス]認証基準では、有機農産物原料について、その配合比率を「%」でラベルに記載するように義務づけており、[化粧品の中身の透明性]を尊重する点で、評価すべきことと考える。また合成成分の配合の上限については2%と規定している。
6.認証マークによって、本当に安心な化粧品を選ぶことができるのか?
コスメの認証取得は、 メーカーにとって費用がかかるため、その分、最終製品の価格が高くなり、消費者に負担をかけるというリスクもある。しかしEU各認証団体ではこんな主張をしている。「昨今は、環境とか自然をうたい文句にした曖昧な自然化粧品(いわゆるグリーンウォッシング製品)が多く出回り、どれを選ぶべきかわからない消費者も多い。しかし認証マークが付くことで、消費者は、本当に安全性や環境保護を配慮した製品をしっかりと見分けることができるのです」。つまり認証マークのメリットは、曖昧なオーガニックコスメや自然化粧品と、本物を見分けやすくするということがその主張である。しかし、「コスモス」認証基準において、一部、石油系合成成分が「使用可」とされている現実を消費者が認識すれば、その主張もまた「曖昧で根拠が薄い」と取られることだろう。
さらに気になるのは、「コスモス」認証基準が、「使用可」としている石油系合成成分のいくつかは、日本の旧厚生省が、アレルギー性がある成分として表示義務を定めた「102種類の旧表示指定成分」に入っていたものもあることである。例えば先にあげた「安息香酸とその塩」、「ソルビン酸とその塩類」、「サりチル酸とその塩類」、「ベンジルアルコール」、「デヒドロ酢酸」は、いずれも「旧表示指定成分」であり、ラベルに表示するようにと義務づけられていた成分である。ではなぜ、 日本の「旧表示指定成分」が、 EUのコスメ認証基準において認められているのかという疑問が消費者の間に湧きあがるのは当然のことであろう。
7.「コスモス」認証基準をリードしてきた「BDIH」
ここで、EUにおいてどのような経緯でコスメの認証基準が作られてきたのかを振り返ってみよう。世界で初めてナチュラルコスメの基準が登場したのは、 2001年のこと。 ドイツの「BDIH」に加盟していた自然化粧品メーカー19社が、5年を超える討議を重ねた上に基準が定められ、実地に至った。ちなみにこの認証基準作りに参加したメーカーのいくつかをあげれば、「Dr.ハウシュカ」、「ラヴェーラ」、「タウトロッフェン」、「ロゴナ」、「プリマライフ」などである。以後、「BDIH」* 3は、EUのコスメ基準作りにおいてリーダー的な役割を果たしてきた。
先にも記したが、「コスモス」の5団体のうち、「エコサート」、「イチェア」、「英国土壌協会」は、従来「IFOAM」が作った世界統一基準に従って、有機農産物と有機加工食品について認証してきた団体である。「エコサート」、「イチェア」、「英国土壌協会」の3つの団体は、有機食品の認証基準についてはエキスパートと言えるが、化粧品の成分についてはエキスパートとは言いがたい団体であろう。もう1つの参加団体「コスメビオ」は、比較的、新しくできた団体である。そうした経緯からも、「コスモス]のコスメ基準をリードしてきたのは、化粧品基準の先駆けである「BDIH」だったことは言うまでもない。
しかし「BDIH」においてコスメ認証基準作りを化粧品メーカーのみで討議したことが、いくつかの石油系合成成分を「使用可」とすることにつながったのではとも考えられる。もしこの討議に消費者側の代弁者も交えていたら、そのような基準にならなかったのではないだろうか。
*3BDIH (ドイツ化粧品医薬品商工連盟)とは。
ドイツのビジネス都市。マンハイムに1951年に創設された。化粧品、医薬品、 食品(特にサプリメントとダイエット食品)の製造と販売に関して。約500の企業や団体が加盟している。2001年2月には、世界で初めて自然化粧品の基準を定めている。
8.石油系合成成分の「使用」を認めていない認証団体もある
現在、世界には、「コスモス」以外にもよく知られたオーガニックコスメ認証団体がある。例えば、 EUには「ネイトゥルー」や「デメター」がある。「ネイトゥルー」は、 「BDIH」のナチュラルコスメ基準作りにも参加した「Dr.ハウシュカ」、「ヴェレダ」、「ラヴェーラ」、「プリマヴェーラ」、「ロゴナ」、「サンタベルデ」の6社が新たに設立した認証団体で、情報公開を積極的にしていくことで「コスモス」との違いを強調している。ただし「ネイトゥルー」もまた「コスモス」と同じく、いくつかの石油系合成成分を「使用可」としている。
「デメター」は、もともと人智学者ルドルフ・シュタイナー博士のバイオダイナミック農法に基づいて作られた有機農産物や有機加工食品を認証する団体であったが、後になってオーガニックコスメ認証を始めた。例えば自然化粧品メーカー「タウトロッフェン」は、世界で初めてデメター認証を受けた化粧品を作ったことで知られている。「デメター」のコスメ認証基準では、石油系合成成分の使用を一切認めていない。その点では、「デメター」は、「コスモス」認証基準よりも厳しい基準を定めている。
またアメリカには、「USDAオーガニック」認証基準があるが、有機農産物や有機加工食品認証において、石油系合成成分の使用を一切認めていないのと同様に、オーガニックコスメ認証においても、石油系合成成分の使用を一切認めていない。
そのほかオーストラリアの認証団体「ACO」でも、現在のところ、石油系合成成分の使用を一切認めていない。 消費者の視点から見ると、有機農産物や有機加工食品の基準では、石油系合成成分の使用が一切認められていないのになぜ有機化粧品の基準となると、石油系合成成分の使用が認められるのかが理解できないというのが、シンプルな疑問ではないだろうか。一般に化粧品は、食品よりもいくぶん安全性が低くてもかまわないのではと考えられがちだが、「経皮毒」という言葉があるように肌に塗った有害物質は、食品のように肝臓で分解されることなく、直接血管に入ってしまうことも少なくなく、かえって危険という説も出されている。こうした理由で、化粧品は食品よりも緩やかな基準であってかまわないという根拠はない。今一度、体への影響ということを重視するならば、「食べ物と同じくらい安全性の高い化粧品」という言葉を真摯に受け止めるべきだろう。
石油系合成成分の「不使用」という点では、「デメター」、「USDAオーガニック」、「ACO」は、消費者には大変わかりやすく、受け入れやすいコスメ認証基準といえる。
世界のコスメ認証をしている団体 | 国 | コスメ認証基準の特色 |
---|---|---|
USDAオーガニック (政府機関) |
アメリカ | ●石油及び石油系合成成分の使用「不可」。 ●「IFOAM」の加工食品認証にほぼ準じた基準でコスメ認証をしている。 ●オーガニックコスメ認証は、水分と塩分を除き、95%以上がオーガニック原料であること。 ●従来から、有機食品認証もしている。 |
ACO(民間機関) | オーストラリア | ●石油及び石油系合成成分の使用「不可」。 ●「IFOAM」の加工食品認証にほぽ準じた基準でコスメ認証をしている。 ●オーガニックコスメ認証のみ。 95%以上がオーガニック原料であり、残り5%も自然原料であること。 ●従来から、有機食品認証もしている。 |
デメター(民間機関) | ドイツ | ●石油及び石油系合成成分の使用「不可」。 ●コスメ認証は、植物原料について、バイオダイナミック農法によるものを90%以上使用。 ●従来から、バイオダイナミック農法による有機食品認証もしている。 |
BDIH エコサート コスメビオ イチェア 英国土壌協会 コスモス(民間団体) |
ドイツ フランス フランス イタリア イギリス 本部ベルギー |
●石油及び石油系合成成分については一部、使用「可」。 ●オーガニックコスメとナチュラルコスメ認証の2つがある。 1.オーガニックコスメ認証は、天然由来原料の95 %以上がオーガニック原料であり、完成品のオーガニック原料は、20%以上であること。ただし洗い流すアイテムは完成品の10%以上。 2.ナチュラルコスメ認証には、オーガニック原料の規定なし。 ●「エコサート」、「イチェア」、「英国土壌協会」の3団体は、従来から有機食品認証もしている。 |
ネイトゥルー (民間機関) |
ベルギー | ●石油及び石油系合成成分については一部、使用「可」。 ●オーガニックコスメ、オーガニック&ナチュラルコスメ、ナチュラルコスメ、3種類の認証がある。 1.オーガニックコスメ認証は、自然原料の95%以上がオーガニック原料であり、完成品のオーガニック原料の割合は、20 %以上。 2.オーガニック&ナチュラルコスメ認証は、自然原料の70 %以上がオーガニック原料であり、完成品のオーガニック原料の割合は、15%以上。 3.ナチュラルコスメ認証は、オーガニック原料の規定なし。 |
9.結論を急ぐよりも、消費者にわかりやすいコスメ認証基準を
現在、日本の自然化粧品を見渡してみると、石油系合成成分を一切使わずに製造され、販売されている製品が数多くある。従来のパラベンやフェノキシエタノールなど石油系合成成分の防腐剤の代わりに、ローズマリーエキストラクト、レウコノストック/ダイコン根発酵液、オリーブ葉エキス、カンゾウ根エキス、グレープシードエキストラクトなどの、抗酸化力が高い植物由来の成分によって、保存性を高める技術が発達してきている。
2013年に「日本オーガニックコスメ協会」監修のもとに発行された単行本「オーガニックコスメ」では、石油系合成成分を一切使用していない300 以上の製品が、スキンケアからメイク用品にいたるすべてのアイテムについて掲載されている(p85参照)。石油系合成成分を一切使わない化粧品製造は、今や現実的なものになっている。
そのような状況の中で、果たして今後、「コスモス」のコスメ認証基準が本当に公的に受け入れられていくかどうかは、未定である。「日本オーガニックコスメ協会」としては、コスメの世界統一基準を急ぐよりも、さらに論議を重ねて消費者にも納得できるものにしていく必要があると考えている。
特に化粧品の成分については、これまで人類が使ったことのない新成分が毎年、登場しているという現状があり、それらの成分が自然界や人体の中で問題なく循環できるものであるかどうかを見極めるのは長い時間を要す。そして新成分がどのようなものなのかを見分けるまでは「使用可」としない姿勢も求められる。
コスメ統一認証基準は、今後オーガニック&ナチュラルコスメの製造方法に与える影響が大きいだけに石油系合成成分の「使用可」については不安が残る。オーガニック&ナチュラルコスメは、人体にとって安全性が高く、環境にも負担をかけない持続可能な製品だからこそ消費者から大きく支持され期待されてきた。消費者のオーガニックコスメやナチユラルコスメヘのさらなる信頼を高めるために、また製造者の安全な製品作りを奨励していくためにも、ノン石油系合成成分、自然界に循環できる天然成分を基本としたコスメ認証基準作りをしていくべきであると、「日本オーガニックコスメ協会」は考えている。
The Current state of the World Standard for Organic Cosmetics
Abstract : There is the uniform world-standard for organic food, but still no single world-standard for organic cosmetics. Each certification organizers of EU countries, the United States and Australia has its ownunique standard. We can witness some movements trying to set up the world-standard for organic cosmetics.
Japan Organic Cosmetics Association hopes that the movements will go towards the creation of the world-standard, which can really win the trust of consumers as well as that of the cosmetics makers. Otherwise, the world-standard for organic cosmetics will never attain the real entity・
Key’words : organic cosmetics, the world-standard, the trust of consumer