これ以上、私たちのからだとそしてこの地球を汚染してはならない―。
その思いは、1970年代頃から国境を越えて、環境保全とライフスタイルの変革となって広がっていきました。
まずは欧米で農薬を使わない野菜や添加物を使わない食品を求める消費者が増え、オーガニックな食材への関心が高まりました。そして次には、生活のあちこちに入り込んでいる化学成分にも目が向けられるようになり、自然素材を主体にした日常品が求められるようになってきました。
そうした現代の中で、化粧品も、より自然なものが見直され、化学成分ではなく、植物を主な成分とした自然派コスメが求められるようになってきました。さらに安全性を追求していくユーザーからは、ただ植物から採れた成分というだけではなく、その植物がオーガニック栽培されたものであることを求められるようになったのです。
いち早く環境問題が始まったドイツでは、昔ながらの自然派化粧品が見直され、同時に新たに安全性を追求する自然派化粧品メーカーも数多く出てきました。こうした自然派化粧品のメーカーは、その原料を石油に求めることを止め、農家と契約してオーガニック栽培のハーブを主な原料としています。
環境保全型の農業を応援するオーガニックコスメ
自然派化粧品メーカーの多くは、人にやさしい化粧品であることはもちろん、動物実験をしないことをモットーにし、使用後のパッケージのリサイクルなどに取り組んでいるところもすくなくありません。つまり単にビジネス活動を目的とするのではなく、環境浄化を通じて社会貢献をするという姿勢を貫いているのです。
安全性を考慮して作られた「オーガニックコスメ」を使う人が増えれば、それは環境保全にもつながります。天然成分は、環境の中で容易に分解し、自然な形で土に還っていきます。また本物の「オーガニックコスメ」を作るメーカーが増えれば、環境保全型の農業を応援することにもつながるので、農薬による水や土壌汚染にも歯止めがかかります。
そんなふうに「オーガニックコスメ」は、環境問題の解決という点でも大きな示唆を与えてくれます。まさに「オーガニックコスメ」は、人にやさしいものは環境にもやさしいものであることを実感させてくれる化粧品なのです。