
2026年5月、JOCA「日本オーガニックコスメ協会」は、ヨーロッパのオーガニックコスメ国際非営利法人COSMOS「コスモス」と対談しました。
4月、コスモス事務局のローラン・ミレ(Laurent Milet)さんから、「5月に東京に行くので、直接会って対談したい」とのメールが届きました。それに応える形で今回の対談が実現しました。
対談は、5月13日、東京駅前にある丸ビル内の会議室で行いました。
対談の概要
今回は、COSMOS「コスモス」の総括マネージャであるローラン・ミレ(Laurent Milet)氏と、JOCA「日本オーガニックコスメ協会」の代表を務める水上洋子との対談になりました。それぞれの基準について意見交換をすることが主な目的でした。
COSMOS「コスモス」とJOCA「日本オーガニックコスメ協会」は、定めているオーガニックコスメ認証基準の内容は、かなり異なります。
具体的には、JOCA「日本オーガニックコスメ協会」基準では一切の合成成分の使用を認めていないのに対し、COSMOS「コスモス」では、14種類の石油系合成成分を使用することを認めています。
たとえばその一例として、COSMOS「コスモス」基準では、石油系合成防腐剤「安息香酸Na」の使用を認めていますが、JOCA「日本オーガニックコスメ協会」基準では使用を認めていません。
- COSMOS「コスモス」:ローラン・ミレ(Laurent Milet)氏
「現在、コスモスは、世界80ヵ国で認証を行っており。3,000社近くの31,100以上の商品がコスモスマークを取得しています」
コスモスがいくつかの石油由来合成成分を使用可能にしていることについて、 「私たちは、単に特定の原材料を禁止するのではなく、事業者が現実的かつ実行可能な代替策を見いだせるよう支援することを重視しています。 認証対象となる原材料のリストは継続的に見直しており、産業規模で利用可能な天然由来の代替原料が登場した際には、その導入を積極的に検討しています。
たとえ100%天然由来という理想に届かなくとも、実際に前進を生み出す取り組みには大きな価値があると私たちは考えています。基準を過度に高く設定した結果、事業者が改善への道筋を見失ってしまうよりも、着実で意味のある進歩を後押しすることこそが重要だと考えているのです。」と話されました。 - JOCA「日本オーガニックコスメ協会」:水上洋子
「日本オーガニックコスメ協会の一番の目的は、安心安全を求める消費者側の要請にこたえることです。合成成分を全く使っていない化粧品を求める消費者もかなりいるので、それに応えるオーガニックコスメを、日本の製造会社と協力して開発していきたいと考え、実際にそうしています」。
「大変幸運なことに日本の化粧品製造会社については、天然成分100%のオーガニックコスメを作るという難しい課題に挑戦したいという意欲ある開発者も多くいます。そのおかげで実際に日本の市場には、かなり多くの天然成分のみで作られたオーガニックコスメが出ています」。
天然成分100%のオーガニックコスメを作るために欠かせない天然成分の防腐剤について、 「アジアには、中国の中医学、インドのアーユルヴェーダなど、伝統的な植物療法が体系的に残っているため、天然成分の防腐剤を開発するという目的に対して可能性が高いと言えます。実際、日本のオーガニックコスメでは、日本や韓国でも開発された天然の防腐剤を使った製品も多く出ています」 - COSMOS「コスモス」:ローラン・ミレ(Laurent Milet)氏
「この分野については、私たちも非常に高い関心を持って注視しています。ドイツ、フランス、イタリア、英国の専門家で構成される技術委員会では、天然由来防腐システムに関する世界各地の研究や技術動向を継続的に調査しています。これは、認証事業者にとって最も活発なイノベーション分野の一つだからです。
JOCAの取り組みで特に印象的なのは、日本のメーカーの高い意欲だけではありません。中国伝統医学やアーユルヴェーダをはじめとするアジアの伝統的な知見が豊かに受け継がれており、それらが新たな発想や技術開発の源泉となっている点にも大きな可能性を感じています。こうした知識は、欧州で培われてきた知見を補完する貴重な情報であると考えています。
JOCAとCOSMOSは、オーガニック化粧品の発展という共通の目標を共有しています。そして、このような知識や経験の交流こそが、認証基準をより良いものへと進化させていく原動力になると考えています。今後もぜひ対話と協力を続けていきたいと思います。」 - JOCA「日本オーガニックコスメ協会」:水上洋子
「そうですね。JOCAはこれからも天然成分100%という基準を守っていきますが、COSMOS「コスモス」とも情報を交換をすることによって、安心安全な化粧品を広く普及することについて協力できることと考えています」
対談の総括
今回は、COSMOS「コスモス」とJOCA「日本オーガニックコスメ協会」の基準の違いを確認しつつも、今後は情報交換をしていくことで地球環境、人、多様な動植物を守っていくことに貢献しましょうと、大変、建設的な対談になりました。


