たとえば「ラウリン酸ポリグリセリル-10」は、植物と石油から作る方法と、植物だけから作る方法があります。

しかしたとえ植物だけで作ったとしても、「ラウリル酸ポリグリセリル-１０」は、自然界には存在しない合成界面活性剤です。

一般に消費者の間では、原料が植物であれば、出来上がったものは天然成分と考えられがちですがそれは間違いです。植物が原料であっても、高温高圧設備を使って植物の構成成分をばらばらにした後、自然界にない合成成分を作ることは可能です。つまり石油から作られていた合成成分と同じものを植物からも作ることができるのです。そして出来上がった成分の性質は、石油も植物も同じです。
植物から作られた天然成分とは、単に溶剤に漬け込む、細かなパウダーにするなど、物理的な処理をされたもので、本来の植物の構成成分を保っているものに限ります。

しかし高温高圧によって植物の構成分子をばらばらにした後、もう一度、合成するのは、化学的処理であり、本来の植物とはまったく違うものを作り出すことができます。

昨今は、従来、石油から作られていたBG、PGなどが植物から作られるようになっており、ナチュラルやオーガニックと称する化粧品に積極的に使われています。しかしたとえ植物から作られたものであっても、自然界にない合成成分であることには変わりなく、環境汚染の不安もあります。