
2017年11月7日(火) 虎ノ門ヒルズフォーラム
ドイツ連邦経済・エネルギー省主催
ドイツ化粧品・トイレタリー・香水シンポジウムにて、講演をしました。
講演のテーマ 「日本のオーガニック&自然派コスメの市場の現状」
講師 水上洋子
» 講演の内容はこちらから

2017年11月7日(火) 虎ノ門ヒルズフォーラム
ドイツ連邦経済・エネルギー省主催
ドイツ化粧品・トイレタリー・香水シンポジウムにて、講演をしました。
講演のテーマ 「日本のオーガニック&自然派コスメの市場の現状」
講師 水上洋子
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講師 日本オーガニックコスメ協会代表 水上洋子
» The version of English slides

今日は、「日本のオーガニック・自然派コスメ市場の現状、及び今後の行方」というテーマでお話しさせていただきます。
日本では今や、オーガニック・自然派コスメに対する関心は、今や一時的なものではなく、継続的なものになっています。
雑誌でもよく特集が組まれたり、大手デパートでオーガニックコスメ専門コーナーが作られたりオーガニックコスメのイベントが開催されたり、オーガニックコスメ専門ショップも出て、売り上げを伸ばしています。
日本で、オーガニックコスメという言葉が、消費者の間で使われるようになったのは、早くも2003年頃です。ヨーロッパに比べても、その言葉が使われたのは、ずいぶんと早かったと思います。
日本でオーガニックコスメが伸びているひとつの理由は、日本人は、伝統的に自然を愛する国民であり、自然に畏敬の念を抱いていることがあります。
つまり化粧品の安心安全を追求していくと、合成成分を使っていない、天然100%の化粧品というイメージが消費者の間に形成されやすい状況がもともとあると言えます。
そのため環境保全先進国ドイツの自然派コスメは、容易に日本の消費者の間に受け入れられました。
ちなみに、消費者の期待に応えるために、早くから日本のオーガニックコスメ・メーカーもまた、天然100%でオーガニックコスメを完成させという困難な技術に取り組んできており、その技術は、今では世界の中でもたいへん高いものになっています。
さて、日本全体のオーガニックコスメ&自然派コスメの販売状況についてお話しします。

2016年、国内の全体的な化粧品の総売上高は、2015年(2兆4,475億円)に比べて、2.5%増の2兆5077円でした。
いっぽうそのうちの自然派・オーガニック化粧品の売上高は、前年度(1175億円)比べて4.6%増の1,229億円、2017年も市場の拡大が予測されています。
オーガニック・自然派コスメは、売上高の規模は、全体的な化粧品の約5%ですが、その伸び率は一般的な化粧品の1.8と、約2倍近く高いことが示されています。その高い伸び率は、近年、肌トラブルに悩む女性が増加していることから、安全安心志向が高まっていること、そしてまた環境と共生するオーガニックなライフスタイルを好む消費者の増加などが理由と思われます。
またもうひとつ、日本の特別な化粧品分類として、「無添加化粧品」というものがあり、これも化粧品の安全性にこだわる消費者に支持されています。
「無添加化粧品」は、化粧品全体の10%の売り上げがあります。「無添加化粧品」の消費者も化粧品の成分にこだわる消費者なので、今後、この層がオーガニック・自然派コスメの購入者となる可能性が高いと言えます。
その結果、日本では今後、潜在的なユーザーになる消費者も併せて約10.5%がオーガニック・自然派コスメに関心がある層と言えます。
さてここで1960年代以降の日本の化粧品の歴史をざっと見ていきます。

化粧品の歴史をふり返ることで、日本のオーガニック・自然派コスメ・ブームは一時的な流行ではなく、今後、さらに支持する消費者が増えていくものであることがわかることと思います。
今では、「化粧品は、ムードではなく成分で選ぼう」というのが、「日本オーガニックコスメ協会」の最も重要なメッセージですが、じつは消費者が化粧品を成分で選びたくても、そうできない長い時期がありました。
というのも、1950年代から2001年の約半世紀、日本では化粧品の成分は企業秘密で良かったからです。容器や箱に化粧品の全成分を記載しなくて良かったのです。
そのため消費者は、化粧品が何で作られているのかという内容のことは知らないまま、CMやパンフのうたい文句、容器のデザインなど、つまりムードで化粧品を選ぶほかありませんでした。
ところが1970年代に「リール黒皮症」という化粧品被害が日本で社会問題となりました。「リール黒皮症」は、別名、「女子顔面黒皮症」という怖い名前です。じつは私自身もこの時期から少し遅れてのことですが、「女子顔面黒皮症」の被害者になりました。
「女子顔面黒皮症」の女性被害者たちは、大阪市で裁判を起こし、日本のメディアを騒がせました。そこであらためて日本の消費者たちは、化粧品の原料は何から作られているのかという疑問を持つようになったのです。
1980年、日本政府は、こうした日本で起きた化粧品被害を防止するために、アレルギー性の高い化粧品成分102種類を選び出しました。当時はまだ化粧品は全成分を表示しなくて良かったのですが、政府が選び出した102種類の化粧品成分が使われている場合は、それだけは、パッケージや容器に表示するようにとメーカーに義務づけました。
そのためこれらの成分は、「102種類の表示指定成分」と呼ばれました。
それまで日本の消費者は、化粧品が何から作られているのか、まったく情報がなかったのですが、ようやく一部だけわかるようになったわけです。
そのように日本の消費者が、安心安全な化粧品に関心を持ち始めたきっかけは、早くも1980年代から始まります。
日本ではその後、「無添加化粧品」というものが出てきて、急速に売りあげを伸ばしました。無添加化粧品というと、合成成分をまったく使っていない化粧品と考える人が多いのですが、そうではありません。先に述べた、日本の政府が選んだアレルギー性のある「102種類の表示指定成分」を抜いたものが、無添加化粧品です。
日本では、1万種類以上の化粧品成分が使われており、その大半は、合成成分ですから、102種類の成分を省いても、それ以外の合成成分を使った化粧品を作ることもでき、それが無添加化粧品と呼ばれているのです。
無添加化粧品は2000年から2005年までは急速に延びますが、その後、無添加化粧品の伸びは止まり、代わりにオーガニックコスメやナチュラルコスメが伸び始めました。
これは消費者が、無添加化粧品にもかなり合成成分が使われていることを知るようになり、もっとナチュラルな化粧品を求めた結果と言えます。
ようやく2001年には、欧米にならって、ようやく日本でも全成分表示が義務付けられました。
しかし全成分表示がされたからといって、すぐに日本の多くの消費者が化粧品は、石油から作られた合成成分が多用されていることがわかったわけではありません。石油から作られた合成成分の名前が難しいしいこと、そしてその数があまりに多いからです。現在、日本で使用されている化粧品成分は、1万種類以上にもなります。
全成分表示が施行されても、コマーシャルやデザインで化粧品を買う消費者が多かったわけですが、そのことに疑問を抱き、「化粧品の成分を知って買おう」というNGO団体の活動が出てきました。
そうした活動のひとつが、「オーガニックコスメ」という本の出版となって出てきました。

日本ではもともと自然派コスメという言葉がありましたが、その後、2001年にオーガニックコスメという言葉が日本で初めて出てきました。
東京で「オーガニックコスメ」というタイトルの本が出版されたのです。この本のおかげで、「オーガニックコスメ」という言葉は、日本ではヨーロッパよりも早くその言葉が使われ始めました。
この本には、「化粧品はムードではなく、成分で買おう」というメッセージが込められていました。
この本を制作したのは、環境NGOアイシスガイアネットでした。
「オーガニックコスメ」という言葉は、この単行本のタイトルとして製作した環境NGOが造ったもので、それで誕生した造語です。2001年2月のことです。
それは今までになかったキーワードで安心安全なコスメを表現できる言葉として、環境NGOの編集チームが中心となって作り出した造語でした。
ですからこの2001年から、オーガニックコスメという言葉は、日本で初めて誕生し、そして歩き始めました。この本は、まさに日本でオーガニックコスメという考え方を普及していく上で大きな貢献をしました。
2001年は、化粧品にとって、重要なことがいろいろとあった年です。この年は、日本で化粧品の全成分表示が始まった年ですが、偶然にも、2001年は、ドイツで、世界で初めて「BDIH」がナチュラルコスメの基準を作り、実地した年です。
この「オーガニックコスメ」という本の中でも、「BDIH」がナチュラルコスメの基準についての記事が掲載されています。
そして「日本オーガニックコスメ協会」は、このオーガニックコスメという単行本を製作した環境NGOアイシスガイアネットを母体として、消費者の立場から、本当に安心できる化粧品情報を伝えるために新たに一般社団法人として設立されました。
ここで「日本オーガニックコスメ協会」について、どんな活動をしているのかについて、簡単にご説明させていただきます。2007年に設立された「日本オーガニックコスメ協会」の活動は、世界のオーガニックコスメ認証団体、各オーガニックコスメ・メーカーを取材することから始まりました。協会の活動目的は次になります。
具体的活動としては次になります。日本の消費者に向けて、本当に安心安全と言えるオーガニックコスメを普及するために、本の発行、雑誌の記事掲載、セミナー、イベントの開催、オーガニックコスメ講座などの活動をしてきました。

「日本オーガニックコスメ協会」の消費者教育として最も重要なのは出版活動です。単行本「オーガニックコスメ」をシリーズ化し、2、3年おきに本を発行してきました。内容は、日本国内で購入できる安心安全な化粧品を紹介しています。

もともと「オーガニックコスメ」シリーズは、安全な化粧品を消費者に知らせるという目的を持って、発行されたのですが、デパートや特色のある売り場作りをしているバイヤーさんに着目されるようになりました。そしてバイヤーさんたちは、この本に掲載された化粧品を集めて、オーガニックコスメコーナーを作り始めたのです。そして今ではこの本は、「バイヤーさんの化粧品バイブル本」とも言われるまでになっています。
つまり一冊の本が、売り場を作り出し、それによってオーガニックコスメが広がっていったのです。安心安全な化粧品という情報にこだわった一冊の本から、具体的な売り場が出来、それに刺激を受けたメーカーが新たなオーガニックコスメブランドを作るという循環が生まれました。
ちなみにこの本でも、ドイツでよく知られている自然化粧品ブランドのドクターハウシュカやロゴナ、ラヴェーラ、ヴェレダが紹介されています。
おそらくアジアの中では、日本の消費者は、もっともドイツの自然化粧品ブランドについて知っていますが、それはこの本のシリーズのおかげと言っていいでしょう。
この循環がたいへんうまくいったことから、日本では早くから、ドイツのオーガニックコスメが一般の消費者の間に浸透していきました。
そのように日本のオーガニックコスメは、化粧品販売の会社やマーケティング戦略の専門家がしかけたものではなく、安心安全な製品を知らせたいという環境NGO活動から始まり、それがひとりひとりの消費者の支持を集めるという、自発的な草の根運動という形で広がっていったのです。
オーガニックコスメを普及していくには、化粧品の成分に詳しい消費者を増やしていくことが重要です。何故なら、そうすることによって、オーガニックコスメがこれまでの化粧品とどう違うのか、何故、安心安全なのかを知らせ、オーガニックコスメの価値を伝えることができるからです。
つまりオーガニックコスメの普及には、消費者教育というものが欠かせません。
そのため「日本オーガニックコスメ協会」は、日本各地でオーガニックコスメセミナーを開催し、消費者に合成成分と天然成分の見分け方などについて講義をしてきました。

ちなみのこの写真は、茨城県の水戸市の高校生に、「日本オーガニックコスメ協会」の講師が教えている様子です。
また「日本オーガニックコスメ協会」は、消費者向けの通信講座である「オーガニックコスメ・アドバイザー講座」を開催しています。この講座には、日本全国のオーガニックコスメに関心がある人が受講しています。
さて日本では、消費者が、安心安全な化粧品を選ぶために、海外の認証マークを目安にしている人もいます。またいくつかの日本のメーカーも海外の認証を取得しています。日本でよく見かける化粧品の認証マークは、エコサートやアメリカのUSDAオーガニック、ときどきBDIHも見かけます。

しかしヨーロッパのオーガニックコスメ基準ですが、一部の石油系の防腐剤が使われていることで、不信感を持っている日本の消費者もおり、そのことはブログでも記事になって出ています。
たとえばヨーロッパの認証マークがついているのに全成分をみると、「安息香酸ナトリウム」が入っているのは、何故ですかという質問が、日本オーガニックコスメ協会によく来ます。「安息香酸ナトリウム」は、石油原料の合成防腐剤です。

「日本オーガニック協会」としては、それは一部の合成防腐剤が、その認証団体の基準で認められているからですよ」と説明するのですが、問い合わせてくる人は、容易に納得はしません。というのも、この「安息香酸ナトリウム」は、先に述べましたが、1980年代に日本政府が定めた、アレルギー性がある「102種類の表示指定成分」に入っているからです。
日本の消費者は、オーガニック・自然派コスメの認証マークを取得している化粧品は、石油成分は一切、使われていないというイメージを抱いているのです。またかなり化粧品の成分についても、知っている人が増えています。とくにオーガニックコスメを購入する人は、化粧品の成分についてよく勉強しています。
「日本オーガニックコスメ協会」は、消費者の声に応える形で、独自のオーガニックコスメ推奨品マークを作りました。
このオーガニックコスメ推奨品は、「日本オーガニックコスメ協会」が15年以上にわたって、単行本「オーガニックコスメ」シリーズを発行してきた経験と、世界の認証団体を取材してきた経験をもとにして、その基準を定め、それを普及するために推奨品マークを作りました。

「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークは、天然成分100%のオーガニックコスメを使いたい人のために作られました。
「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークの基準は、一切の石油原料成分をすべて使用禁止にしています。
「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークは、厳しい基準を定めることによって次のことを目標にしています。
オーガニックコスメを使う日本の消費者は、次の3点を考えながら、製品を選ぶ消費者も多いのです。

日本のオーガニックコスメに関心がある層は、高い環境意識を持ち、また化粧品の成分について学ぶことも熱心です。
そのため石油合成成分が入り混じったコスメよりも、やはりしっかりと天然成分100%で作ったオーガニックコスメが歓迎されることが予想されます。
日本でドイツの製品を普及していくための広報として、製品の良さや安心安全性をアピールすることに加えて、その企業が、地球環境に配慮した取り組み、たとえば再生可能エネルギー推進、森林保護、動物愛護などをアピールすることも重要です。
環境を守る企業姿勢もまた、自然を愛する日本消費者にたいへん歓迎され、それが購入につながることになります。
真のオーガニックコスメの製品作りの姿勢は、実はこの21世紀において、化粧品の分野だけではなく、ほかの製品作りにおいても求められるものです。
産業革命以来、何かを生産し、販売していくことは、ともすれば環境保全とは相容れないものという考えがありました。
しかしオーガニックコスメの普及は、地球環境と共存する製品の普及という、新時代にふさわしい方針を示すことにもつながります。
そのような真のオーガニックコスメの普及は、環境を守る上でもたいへん大きな意味があることと日本オーガニックコスメ協会は考えています。
ぜひ国境を越えて、地球環境と人にとって安心安全なオーガニック製品を普及するという共通の目標を持って協力しあえるネットワークが、環境保全先進国であるドイツの皆様と日本の間にできればたいへん嬉しいことと、「日本オーガニックコスメ協会」は考えています。
ご清聴、ありがとうございました。

講師 日本オーガニックコスメ協会代表 水上洋子
» The version of Japanese slides
今日は、「日本のオーガニック・自然派コスメ市場の現状、及び今後の行方」というテーマでお話しさせていただきます。
2016年、国内の全体的な化粧品の総売上高は、2015年(2兆4,475億円)に比べて、2.5%増の2兆5077円でした。
いっぽうそのうちの自然派・オーガニック化粧品の売上高は、前年度(1175億円)比べて4.6%増の1,229億円、2017年も市場の拡大が予測されています。
オーガニック・自然派コスメは、売上高の規模は、全体的な化粧品の約5%ですが、その伸び率は一般的な化粧品の1.8培と、約2倍近く高いことが示されています。その高い伸び率は、近年、肌トラブルに悩む女性が増加していることから、安全安心志向が高まっていること、そしてまた環境と共生するオーガニックなライフスタイルを好む消費者の増加などが理由と思われます。
またもうひとつ、日本の特別な化粧品分類として、「無添加化粧品」というものがあり、これも化粧品の安全性にこだわる消費者に支持されています。
「無添加化粧品」は、化粧品全体の10%の売り上げがあります。「無添加化粧品」の消費者も化粧品の成分にこだわる消費者なので、今後、この層がオーガニック・自然派コスメの購入者となる可能性が高いと言えます。
その結果、日本では今後、潜在的なユーザーになる消費者も併せて約10.5%がオーガニック・自然派コスメに関心がある層と言えます。
化粧品の歴史をふり返ることで、日本のオーガニック・自然派コスメ・ブームは一時的な流行ではなく、今後、さらに支持する消費者が増えていくものであることがわかることと思います。
今では、「化粧品は、ムードではなく成分で選ぼう」というのが、「日本オーガニックコスメ協会」の最も重要なメッセージですが、じつは消費者が化粧品を成分で選びたくても、そうできない長い時期がありました。
というのも、1950年代から2001年の約半世紀、日本では化粧品の成分は企業秘密で良かったからです。容器や箱に化粧品の全成分を記載しなくて良かったのです。
そのため消費者は、化粧品が何で作られているのかという内容のことは知らないまま、CMやパンフのうたい文句、容器のデザインなど、つまりムードで化粧品を選ぶほかありませんでした。
ところが1970年代に「リール黒皮症」という化粧品被害が日本で社会問題となりました。「リール黒皮症」は、別名、「女子顔面黒皮症」という怖い名前です。じつは私自身もこの時期から少し遅れてのことですが、「女子顔面黒皮症」の被害者になりました。
「女子顔面黒皮症」の女性被害者たちは、大阪市で裁判を起こし、日本のメディアを騒がせました。そこであらためて日本の消費者たちは、化粧品の原料は何から作られているのかという疑問を持つようになったのです。
1980年、日本政府は、こうした日本で起きた化粧品被害を防止するために、アレルギー性の高い化粧品成分102種類を選び出しました。当時はまだ化粧品は全成分を表示しなくて良かったのですが、政府が選び出した102種類の化粧品成分が使われている場合は、それだけは、パッケージや容器に表示するようにとメーカーに義務づけました。
そのためこれらの成分は、「102種類の表示指定成分」と呼ばれました。
それまで日本の消費者は、化粧品が何から作られているのか、まったく情報がなかったのですが、ようやく一部だけわかるようになったわけです。
もともと「オーガニックコスメ」シリーズは、安全な化粧品を消費者に知らせるという目的を持って、発行されたのですが、デパートや特色のある売り場作りをしているバイヤーさんに着目されるようになりました。そしてバイヤーさんたちは、この本に掲載された化粧品を集めて、オーガニックコスメコーナーを作り始めたのです。そして今ではこの本は、「バイヤーさんの化粧品バイブル本」とも言われるまでになっています。
つまり一冊の本が、売り場を作り出し、それによってオーガニックコスメが広がっていったのです。安心安全な化粧品という情報にこだわった一冊の本から、具体的な売り場が出来、それに刺激を受けたメーカーが新たなオーガニックコスメブランドを作るという循環が生まれました。
ちなみにこの本でも、ドイツでよく知られている自然化粧品ブランドのドクターハウシュカやロゴナ、ラヴェーラ、ヴェレダが紹介されています。
おそらくアジアの中では、日本の消費者は、もっともドイツの自然化粧品ブランドについて知っていますが、それはこの本のシリーズのおかげと言っていいでしょう。
この循環がたいへんうまくいったことから、日本では早くから、ドイツのオーガニックコスメが一般の消費者の間に浸透していきました。
そのように日本のオーガニックコスメは、化粧品販売の会社やマーケティング戦略の専門家がしかけたものではなく、安心安全な製品を知らせたいという環境NGO活動から始まり、それがひとりひとりの消費者の支持を集めるという、自発的な草の根運動という形で広がっていったのです。
ちなみのこの写真は、茨城県の水戸市の高校生に、「日本オーガニックコスメ協会」の講師が教えている様子です。
また「日本オーガニックコスメ協会」は、消費者向けの通信講座である「オーガニックコスメ・アドバイザー講座」を開催しています。この講座には、日本全国のオーガニックコスメに関心がある人が受講しています。
「日本オーガニック協会」としては、それは一部の合成防腐剤が、その認証団体の基準で認められているからですよ」と説明するのですが、問い合わせてくる人は、容易に納得はしません。というのも、この「安息香酸ナトリウム」は、先に述べましたが、1980年代に日本政府が定めた、アレルギー性がある「102種類の表示指定成分」に入っているからです。
日本の消費者は、オーガニック・自然派コスメの認証マークを取得している化粧品は、石油成分は一切、使われていないというイメージを抱いているのです。またかなり化粧品の成分についても、知っている人が増えています。とくにオーガニックコスメを購入する人は、化粧品の成分についてよく勉強しています。
「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークは、天然成分100%のオーガニックコスメを使いたい人のために作られました。
「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークの基準は、一切の石油原料成分をすべて使用禁止にしています。
「日本オーガニックコスメ協会」の推奨品マークは、厳しい基準を定めることによって次のことを目標にしています。

終了しました!
→オーガニック・WEBマガジン[IN YOU]で、ライターさんのための、JOCAオーガニックコスメ講座を開催
今、オーガニックフードに関しては、それほど間違った情報は出ていません。しかし残念ながらオーガニックコスメに関しては、間違った情報が、新聞、雑誌、サイトにあふれています。
とくにオーガニックコスメの認証の現状については、
日本では誤った情報が多く出ています。
たとえば、
「EUの認証基準は厳しく、石油系成分を一切使用することができない」、
「ヨーロッパやアメリカには、統一されたコスメ認証基準がある」
といった内容の記事をよく目にしますが、これらは誤りです。
このように認証について誤った記事が多い理由は、
メディアのほとんどが、ヨーロッパ現地の認証団体を取材していないこと、
それに加えてライターさんが取材をしたとしても、基準を理解するために不可欠な化粧品成分の知識を持っていないためです。

そのような事実に、「JOCA日本オーガニックコスメ協会」と、オーガニックライフをテーマとしているWEBマガジン「IN YOU」は、危機感を同じにしました。
このような問題を防ぐためには、今後、影響力を持つ発信者であるWebライターが自身の質を高めることが欠かせません。
ぜひライターさんは、オーガニックコスメの正しい知識を身につけて、しっかりと情報発信してほしい――
「日本オーガニックコスメ協会」は、そんな「IN YOU」さんの思いに共感して、この講座を開催する運びになりました。

この講座では、ライターさんが今後世の中へ正しいオーガニックコスメの情報を発信していくために、
世界の認証基準の知られざる現状
認証基準が出来るまでの歴史
基準を読み取るポイント
など、日頃ネットなどにも紹介されていない、驚きの真実についてお話します。
ライターさん向けの、「オーガニックコスメの講座」は、オーガニックコスメについて記事を書くときに、これだけは押さえておきたい必須の情報として指針になると思います。
そのほか、
「オーガニックコスメと普通のコスメって何が違うの?」
「無添加化粧品とオーガニックコスメはどっちの方がいいの?」
「石油成分は肌に悪影響を及ぼすの?」
そんなよくある質問にも答えながら、一ランク上のオーガニックコスメ講座を実地します。

日本オーガニックコスメ協会は、
消費者が安心安全な化粧品を選べるように、
天然成分100%のJOCA推奨品マークを作りました。

ライター向けの、「オーガニックコスメの講座」は、オーガニックコスメについて記事を書くときに、これだけは押さえておきたい必須の情報として指針になると思います。
是非この機会に講座を受けてみてください。
開催日時:11月28日(火) 終了しました。
時間:19:30〜21:30まで
定員:14名(定員になり次第締め切り)
会場:
INYOUエディターズ・オフィス
(話題のオシャレな東京の一角、「イタリア街」)。
東京都港区東新橋2丁目9番4号ヴィアパルコビル301
都営大江戸線「汐留」駅徒歩5分
都営三田線「御成門」駅徒歩8分
JR山手線「新橋」駅徒歩9分
会費:講座参加費用、オーガニックティー付き
決済方法:当日支払い
申し込み方法:メールで申し込み
customer@macrobiotic-daisuki.jp
タイトルに「オーガニックコスメ講座参加希望」と記載の上、申し込み願います。
申し込み締め切り:
11月24日まで 終了しました。お申込ありがとうございました。
ご注意点:
当日は講師並びにスタッフが皆さんのためにしっかり準備をした上で開催致しますので、キャンセルされた場合は、3営業日前から全額キャンセル費用が発生しますので、どうぞご了承ください。
皆さんからのご参加応募、楽しみにお待ちしています!
水上洋子講演 11月7日(火) 15:25~16:50 テーマ 「日本のオーガニック・自然派コスメ市場の現状、及び今後の行方」
シンポジウム参加ご希望の方は、フォームより申し込んでください。 100名限定となりますので、宜しくお願いいたします。» シンポジウム詳細はこちらから(ドイツ連邦経済・エネルギー省)
今年5月にオープンした「星が丘オーガニックサロン」では、毎週、オーガニックコスメ講座が開催されています。講座の中では、手作りコスメも実地しており、わきあいあいと楽しい雰囲気の中で、オーガニックコスメについて学ぶことができます。
7月上旬には、お茶会を実地しました。名古屋の方々に加えて、鳥取県や静岡県からもお客様が集合しました。
「星が丘オーガニックサロン」は、星が丘地域のオーガニックタウンを目指す活動を応援しながら、美と健康に役立つオーガニック情報をどんどん発信していきます。

このオーガニックコスメ国際シンポジウムは、韓国でも自然が豊かで有機農業が盛んな地域である忠清北道(チュンチョンブクド)の町、槐山郡(ゴエサン)で開催されました。 オーガニックコスメ国際シンポジウムが開催されるのは、10月1日。2015年槐山郡(ゴエサン)国際オーガニック産業エキスポ(2015 Goesan International Organic Expo 9月18日から10月11日)の期間中になります。 シンポジウムの目的は、各国のオーガニックコスメの専門家の情報を収集して、オーガニックコスメに着眼した化粧品産業の活性化を促すことにあります。

国際オーガニックシンポジウムが開催された
Goesan 有機製品研究センター
国際オーガニックシンポジウムが開催された Goesan 有機製品研究センター シンポジウムでは、オーガニックコスメの現状と認証について、EU,インド、韓国、日本から発表講演がありました。 講演の内容は、EUのコスモス認証(講師:ローランド・グランデル博士)、インドの天然原料成分(講師:シャンカル・ガリ博士)、韓国の現状(講師:ソ・ヨンジュン教授)などに及びますが、「日本のオーガニックコスメの現状」については、JOCA代表の水上洋子が講演を担当しました。 今後、アジア全体のオーガニックコスメの普及、そして、地球と調和したオーガニックライフを普及していく上でも、たいへん意義のあるシンポジウムになりました。

この原稿は、2月号の特集「認証制度と運用の実際」のひとつとして掲載されています。
現在、さまざまな世界のコスメ認証団体がありますが、統一基準はまだありません。この原稿では、それぞれの団体の認証基準について比較をした表も掲載しました。
この2月号には、ハラル認証、BDIH認証、コスモス認証取得方法についての記事なども掲載されています。コスメ認証の現状について関心を持っている方は、ぜひご覧になってください。

25p タイトルと始まりのページ
詳しくはこちら
29pより抜粋 コスメ認証団体の基準比較表

セミナーの前半は、日本オーガニックコスメ協会の代表、水上洋子さんの話になりました。2001年、「化粧品は全成分表示になりましたが、成分は難しいので、化粧品を買う時に見る人はほとんどいないのでは?」市販のコスメの成分表とオーガニックコスメの成分表を見比べながら、合成成分を見分ける方法を話しました。参加者の方々とちょっとしたやり取りも交わしながら行われ、とても充実した会となりました。

コスメ講座の後半は、オーガニックメイクアップアーティストである木川恵さんが、24hコスメを使ってメイクの実践をしました。
モデルさんは参加者の一人にお願いし、メイクが終わった後こんな感想をもらいました。「今まで一般的なメイク用品しか使ったことが無かったのですが、仮面を被ったような圧迫感がありました。オーガニックコスメのメイクは、顔がとても軽く感じられますね。」オーガニックコスメは悩みをしっかりとカバーしつつも、ナチュラルな仕上がり、ということを間近で見て実感してもらいました。
今後「日本オーガニクコスメ協会」は本物のオーガニックコスメを普及するために、さまざまな活動を行っていきますので、セミナーの開催の希望や協力などありましたら、ぜひお声かけください。
毎日新聞『くらしナビ ライフスタイル オーガニック化粧品を選ぶ』の記事に、日本オーガニックコスメ協会代表 水上洋子への取材が掲載されました。