12/4(日)<JOCAオーガニックコスメ・セラピスト>水町三穂さんがイベントを開催します。 ~アート手ごねせっけんメディテーション~


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日時:
2022年12月4日(日)11:00-13:00アート手ごねせっけん作り
開催場所:
山梨県北杜市須玉町(八ヶ岳南麓)の森の中のstudio KURI又はオンラインにて。
詳細はこちらから
http://www.linktr.ee/studiokuri

日本から発信、天然成分100%のJOCAコスメ認証基準

JOCA日本オーガニックコスメ協会 日本から発信、天然成分100%のJOCA認証基準 消費者の信頼を得るには、天然100%のオーガニックコスメ製造が必要(JOCAマーク)

消費者の信頼を得るには、天然成分100%のオーガニックコスメ製造が必要

国境を超えて普及するオーガニックコスメ

2000年代に登場したオーガニックコスメは、国境を越えて、今も世界中の女性たちに支持され続けています。

もともとオーガニックコスメは、ファッションや一時的な流行とは異なる流れの中にありました。

その流れは、遠く遥かな時代から育まれてきた植物療法を活用したスキンケアから始まり、長いときを超えて世代から世代へと伝えられてきました。現代に入ると、いったんはその流れは消えたかに見えましたが、ふたたび私たちの世界に浮かび上がってきました。

そのきっかけは、女性たちが現代の化粧品に、自然界にはない合成成分が多用されていることに不安を抱いたことでした。つまり女性たちは、あるシンプルなことを思い出したのです。

私たち自身が自然なもので作られているのだから、 自然なものこそが一番良いはず――

オーガニックコスメには、人工的な合成成分ではなく、自然なものから作られる化粧品こそが、やはり安心安全であり、 素肌の生命力を守るという考えが根底にあります。

そんなオーガニックコスメの考え方は、コスメに限らず、ほかの分野にも影響を与えるものです。 現代生活があまりに自然から遠ざかり、健康への弊害や環境破壊が顕著になってくるにつれ、ある思いが私たちの心奥で鮮明になってきています。

もし私たちが美しく健康に生きたいのなら、もう一度、自然に敬意を払い、自然とつながらなければいけないのではーー

オーガニックコスメが支持され続けている理由は、 今の時代が求めるそんなメッセージがあるからではないでしょうか?

オーガニックコスメの普及は、近年、ますます高まってきている自然保護運動の波とそのまま重なっています。

日本のオーガニックコスメ普及の現状

日本のオーガニックコスメ普及率 コロナ禍の影響で一時的にM字型に落ち込むが、現在は回復。
	2021年 日本の化粧品の総売り上げ:2兆8000億円
	オーガニックコスメ&ナチュラルコスメは、全体の5%:約1400億円
	ただし完全に合成成分を使用せず、天然成分100%のオーガニックコスメに限定するなら、0.1%:約28億円
	この数字は、製造者と消費者の意識が高くなれば、もっと伸びると予想される。

コロナ禍の影響によって、2020年には、日本の化粧品市場は、とくにメイク用品の需要の減少などによっていくぶん落ち込みましたが、2021年には早くも以前の売り上げを回復しています。

現在の日本のオーガニックコスメの普及率については、どのような水準のオーガニックコスメによるかでかなりその数字は変わってきます。というのもオーガニックコスメと称していても、防腐剤や乳化剤は合成成分がかなり多く、ほんの少しだけ有機栽培植物を使っているという製品がとても多いからです。

2021年の日本の化粧品全体の売り上げ2兆8000億万円。そのうちの、とりあえず有機栽培の植物原料を使用してオーガニックコスメと称している製品について言えば、約5%ほどの売り上げ(約1400億円)を占めているのでないかと思います。
しかし完全に合成成分フリー、天然成分100%のオーガニックコスメとなるとさらに希少になり、0.1%になることと思います。

日本は、オーガニックコスメ先進国

もともと日本は、モノ作りにおいては、品質の良さにおいて定評がある国柄です。そして今、世界の女性たちが支持しているオーガニックコスメの分野においても、実は日本は最先端にいます。一般的にはオーガニックコスメと言うと、ヨーロッパというイメージがあるために、意外と思うかもしれませんが、それは次のような理由からです。

世界の現状では、たとえオーガニックコスメ認証マークがついていても、いくつかの合成成分が使われていることもよくありますが、すでに日本では、天然成分100%のオーガニックコスメがかなり出ているからです。

たしかに日本の市場でもオーガニックコスメと称していても合成成分が入り混じったものが圧倒的に多いのですが、それでも日本には合成成分を一切使わずに、完全に天然成分だけで作られたオーガニックコスメがかなり市場に出ています。その数は、おそらく環境先進国というイメージがあるドイツ以上に多いことと思います。

何故、そのように日本では、天然成分100%のオーガニックコスメが多いのかということについては、後ほど詳しくお話しいたしますが、そのような状況があることから、オーガニックコスメ製造という点では、日本は今、世界でも最先端にいると言っていいでしょう。

日本は、世界に先駆けて、早くも2001年頃からオーガニックコスメが注目されるようになっています。

さて、ここから、「何故、日本でいち早くオーガニックコスメが普及したのか?」についてお話し致します。

オーガニックコスメという言葉は、日本から始まった

<日本のオーガニックコスメの始まり>2001年、日本でオーガニックコスメという言葉が登場した。それは一冊の本がきっかけだった。
	 <本のメッセージ>
	 ムードではなく中身で化粧品を選ぼう!
	 制作 環境NGOアイシスガイアネット
	 
	 日本のオーガニックコスメの普及は、メーカーの仕掛けではなく、市民NGOグループの活動から始まった。
	 (単行本 「オーガニックコスメ」表紙)(単行本 「オーガニックコスメ」ページ 化粧品の全成分表示)

 

初めて日本で「オーガニックコスメ」という言葉が公の場に出てきたのは、2001年のことです。そのきっかけは、東京で「オーガニックコスメ」というタイトルの本が出版されたことからでした。

この本を制作したのは化粧品メーカーではなく、環境NGO「アイシスガイアネット(主催者/清水童伸)」でした。

つまり「オーガニックコスメ」という言葉は、日本の環境NGOが、安心安全なコスメを普及するための新しいキーワードとして考案したものでした。

この本が発行されたのは2001年の2月で、それ以来、オーガニックコスメという言葉が日本で歩き始めたわけです。 

特筆すべきことは、オーガニックコスメという言葉が日本で現われた2001年、ヨーロッパでもまだその言葉は登場してなく、ただナチュラルコスメという言葉だけがありました。ちなみにヨーロッパでは同じ2001年の
秋に、ナチュラルコスメの基準がドイツで初めて作られたばかりでした。

そのように、実は「オーガニックコスメ」という言葉自体は、まず日本から発信されたのです。

本のシリーズが、日本のオーガニックコスメ市場を作った

日本のオーガニックコスメ普及の歴史
	 オーガニックコスメシリーズ
	 
	 日本のオーガニックコスメ協会監修
	 2001年~2020年 単行本シリーズによって、ナチュラル&オーガニックコスメの信頼度が高まる。
	 2001年オーガニックコスメ 2003年オーガニック・コスメ&ヘアケア 2006年オーガニックコスメ 2009年オーガニックコスメ厳選303 2013年植物の力で素肌力が蘇るオーガニックコスメ

2001年に発行された単行本「オーガニックコスメ」は、日本で「オーガニックコスメ」という考え方が消費者に認知されていく上で大きな貢献をしました。

この本には、消費者に向けて、「化粧品はムードではなく、成分で買おう」という、メッセージが込められていました。

そこには、現代の化粧品に石油由来の合成成分が多用されるようになってから、肌トラブルが急増したことを踏まえ、食品と同じように化粧品もナチュラルな原料が良いという考えがありました。

単行本「オーガニックコスメ」は、発行されてまもなく、日本各地の大型店舗のバイヤーたちに着目されるようになりました。そしてバイヤーたちは、この本に掲載された化粧品を集めて、日本初のオーガニックコスメコーナーを作り始めたのです。

2001年以降に、単行本「オーガニックコスメ」はシリーズ化され、2、3年おきに続本が出版されるようになりました。

やがて単行本「オーガニックコスメ」シリーズは、「バイヤーのオーガニックコスメのバイブル本」とも言われるまでになったのです。さらにこの本に刺激を受けて、安心安全にこだわったコスメブランドを立ち上げる人や会社も次々と登場しました。

つまり安心安全な化粧品情報について環境NGOが出した一冊の本とそのシリーズが、日本全国に売り場を作り出し、それに刺激を受けた会社や人が新たなオーガニックコスメブランドを作るというように、日本でオーガニックコスメが普及していく上で望ましい循環を作り出したのです。

この循環がたいへんうまくいったことから、日本では世界でもいち早く、オーガニックコスメが一般の消費者の間に、一時的なブームに終わることなく、継続的に浸透していったのです。

そのように、日本でのオーガニックコスメの最初の発信とそして普及は、化粧品販売の会社やマーケティング戦略の専門家によって仕掛けられたものではなく、安心安全な製品を知らせたいという環境NGO活動から始まったものでした。その活動がひとりひとりの消費者の支持を得て、継続的に広がっていったのです。

安心安全な製品を伝える
「日本オーガニックコスメ協会」の設立

日本のオーガニックコスメ普及の歴史
	日本オーガニックコスメ協会の活動
	2007年、環境NGOアイシスガイアネットを母体として設立。
	
	活動の目的
	1 消費者に対して、安全なオーガニックコスメを普及する。
	2 メーカーに対して、天然成分100%のオーガニックコスメ製造を支援する。
	
	具体的活動
	1 各国のオーガニックコスメの認証基準と現状を取材する。
	2 一般消費者に向けてオーガニックコスメ教育活動をする。
	出版、セミナー、イベント活動など。

その後、2007年、この「オーガニックコスメ」という単行本を制作した環境NGO「アイシスガイアネット」を母体として、「日本オーガニックコスメ協会」が設立されました。

現在、「日本オーガニックコスメ協会」は、国内外のオーガニックコスメ化粧品情報を伝える活動をする一般社団法人として登録されています。

「日本オーガニックコスメ協会」の主な活動目的は、まずは消費者の立場を尊重して、本当に安心安全なオーガニックコスメとその情報を正確に知らせていくことにあります。そのために、世界の認証団体を現地に赴いて取材したり、オーガニックコスメの国際会議に参加したり、出版やイベント活動を続けてきました。

日本オーガニックコスメ協会の活動
	オーガニックコスメと消費者教育
	■教育の効果
	日本では、化粧品の全成分を確かめて購入する消費者も少なくない。
	
	■消費者の知識と安全性
	
	一人ひとりの消費者が知識を高めることで、本当に安心安全なオーガニックコスメが製造され市場で継続的に支持されていく。
	
	写真 日本オーガニックコスメ協会が開催した高校でのオーガニックコスメセミナー。
日本オーガニックコスメ協会の活動
	各オーガニックコスメ認証団体の取材

さて、次に「何故、日本オーガニックコスメ協会が独自でオーガニックコスメ基準を作ったのか」についてお話し致します。

未だオーガニックコスメの世界統一基準はない

 現在、オーガニックフード(農産物、加工食品)については、「世界統一的」な認証基準のベースがあり、それは「IFOAM(国際有機農業運動連盟)」によって1981年に作られたものです。

 いっぽうオーガニックコスメについては、「世界統一的」な認証基準のベースとなるものはなく、「USDAオーガニック」や「コスモス」、「ネイトゥルー」、「デメター」など、各国のいろいろな認証団体によって異なる基準が並列している今も状況が続いています。

日本では、「ヨーロッパの認証マークがついていれば、その製品は、天然成分100%で作られている」と思いこんでいる人が多いのですが、それは誤った認識です。それは韓国でも同様かもしれませんね。

しかし粧品にオーガニックコスメ認証マークがついていても、必ずしもその製品が完全に天然成分で作られているわけではありません。その認証基準の内容によっては、いくつかの合成成分の使用が認められていることもあるからです。

消費者が安心安全な化粧品を求めるとき、認証マークは目安にはなりますが、その認証基準がいったいどのような内容なのかをしっかりと把握する必要があるわけです。

コスメ認証基準の違いは、
石油系合成成分の「使用可」か「使用不可」

表2 世界のオーガニックコスメ認証基準の違い
	 石油合成成分の一部を「使用可」にしている認証基準団体【(2010年「コスモス」設立メンバー:エコサート、BDIH、イチェア、コスメビオ、英国土壌協会)、ネイトゥルー、ACO※2013年に「コスモス」に参加】
	 
	 石油由来合成成分は一切「使用不可」にしている認証基準団体【USDAオーガニック、デメター、日本オーガニックコスメ協会】

さて各認証団体のコスメ認証基準の違いにおいて、もっとも重要なポイントとなるものは何かというと、それは石油系合成成分の使用についてどこまで「認めるか、認めないか」です。

現在、世界の様々な認証団体の基準を比較してみると、石油系合成成分の一部を認める基準を掲げている団体と、一切、石油系合成成分を認めていない基準を定めている団体があります。

石油系合成成分の一部の使用を認めている認証基準としては、「コスモス」、「ネイトゥルー」などがあります。それらのヨーロッパのコスメ認証基準では、14種類ほどの石油原料を使った合成成分(合成防腐剤。合成界面活性剤など)の使用が認められています。

それらの基準で認められている石油原料の合成防腐剤として、たとえば「安息香酸Na」や「ソルビン酸K」などがあります。しかし「安息香酸Na」や「ソルビン酸K」は、日本では、国が定めた「102種類の表示指定成分」に該当し、アレルギー性があることが懸念される合成成分です。

注 「102種類の表示指定成分」とは?

1980年にはまだ日本では化粧品の全成分表示が義務ではなかったのですが、あまりに数多くの化粧品被害が寄せられたために、国はアレルギー性がある化粧品成分についてリスト化し表示するように義務付けました。その化粧品成分のリストが、「102種類の表示指定成分」と呼ばれているものです。

いっぽう石油系合成成分の使用を一切認めない、より厳しいコスメ認証基準を定めているのは、アメリカの「USDAオーガニック」、ドイツの「デメター」などです。そして「日本オーガニックコスメ協会」の「JOCAマーク」もまた石油系合成成分の使用を一切認めないコスメ認証基準を定めています。

日本の消費者の声に応えて、
天然成分100%のオーガニックコスメ製造が進む

日本は天然成分100%でコスメを作る技術において、世界の最先端にいる。
	
	従来は難しいと言われてきた天然成分100%のオーガニックコスメのメイク用品も日本では、2006年に登場
	
	現在、日本では、スキンケア用品、メイク用品、ヘアケア用品とあらゆる化粧品アイテムにおいて、天然成分100%で作られたオーガニックコスメが販売されている。

コスメの認証基準は、今後、オーガニックコスメの製造方法にも大きな影響を与えるものです。もし合成防腐剤や合成界面活性剤の使用を認める基準のみが普及すると、オーガニック植物エキスが配合されているけれども、防腐や乳化は、合成成分に頼る製造方法が当たり前になってしまいます。

消費者の立場から考えると、やはり望まれるのは、合成成分を一切、使っていないオーガニックコスメです。

先にも述べましたが、日本の消費者は、「オーガニックコスメにはまったく合成成分が使われてなく、100%天然成分で作られている」と考える人が多いのです。

日本では数年前から、そんな消費者の声に応えようと、いくつかの進歩的な製造会社が動き出し、天然成分のみのオーガニックコスメ製造に取り組んでいます。それらの製造会社は、天然成分の防腐剤や界面活性剤の研究を重ね、完全に天然成分100%の化粧品を作ることに成功しています。

従来から日本の各分野の製造会社は、一旦、目標が定まると、そのために必要な技術を素早く完成させることで高く評価されてきました。素晴らしいことにその特性は、今、オーガニックコスメの分野でも発揮されています。

その結果、現在、天然成分の防腐剤や乳化剤だけの、天然成分100%のオーガニックコスメがかなりの数で日本の市場に出ているのです。

では、次に、天然成分100%の日本のオーガニックコスメには、どのような防腐成分が使われているのかについてお話し致します。

日本のオーガニックコスメに使われている
天然成分の防腐剤、及び乳化剤について

今後、オーガニックコスメ製造者は、天然成分の防腐剤や界面活性剤の使用と開発に力を入れるべきである。
	
	日本はオーガニックコスメ先端技術国。天然成分100%で化粧品を完成させる技術を有している。
	
	日本のオーガニックコスメでよく使われている防腐剤の例
	
	■グレープフルーツ種子エキス
	■ヒノキチオール
	■ローズマリーサポニン
	
	日本のオーガニックコスメでよく使われている界面活性剤
	■石鹸
	■レシチン
	
	※<アジア地域の可能性>
	伝統的な植物療法が残るアジア地域で、化粧品成分として、天然の防腐剤が発見される可能性も高い。

オーガニックコスメを志向する日本のいくつかの製造会社では、従来の石油系合成成分の防腐剤を一切使うことなく、抗酸化力が高い植物を活用することによって、保存性を高める製造技術の開発に取り組んでいます。

防腐剤にもなる植物エキスは数多くありますが、日本のオーガニックコスメ製造分野では、次のような植物成分が、天然の防腐剤としてよく使われています。

  • ローズマリーサポニン
  • グレープフルーツ種子エキス
  • ヒノキチオール
  • セイヨウシロヤナギエキス
  • 甘草根エキス
  • レウコノストック/ダイコン根発酵液
  • オリーブ葉エキス
  • オウバクエキス
  • 防腐効果が高い精油類(クラリセージ油、ローズマリー油、フランキンセンス油など)

 天然の防腐剤は一種類だけでは防腐力が弱いので、いくつかの種類をブレンドして使用することが多いようです。そのほか穀物から作られたエタノール、すなわちアルコールも天然成分の防腐剤として使われています。

 防腐剤のほかに化粧品製造にとって欠かすことのできない成分として、本来混じり合わない水と油を混ぜ合わせるための界面活性剤(乳化剤または洗浄剤)があります。これについても、日本のいくつかの製造会社は、天然100%のオーガニックコスメを実現するために、合成の乳化剤、つまり合成界面活性剤を使うことなく、「石けん素地」、「レシチン」などの天然成分の乳化剤を使っています。

 「日本オーガニックコスメ協会」は消費者に対して安心安全なオーガニックコスメを普及するだけではなく、もうひとつの活動として、製造会社に対しても働きかけています。オーガニックコスメ製造会社と協力して、天然成分100%で製品を作るという取り組みにも力を入れてきました。そしてメーカー側からの求めがあれば、天然成分による防腐方法や乳化方法を活用したオーガニックコスメを作るときに必要なアドバイスしています。

消費者の信頼と関わる
コスメ認証基準のレベル

消費者の立場からJOCAマーク
	 2015年、日本オーガニックコスメ協会が作る。
	 
	 <基準条件>
	 ■天然成分100%。(合成防腐剤、合成界面活性剤不使用)
	 
	 ■植物エキスは、無農薬栽培または野生植物。
	 <JOCAマークの目的>
	 ●消費者の立場からの安全性を重視。
	 ●製造者の目標を高くするー天然の防腐剤及び界面活性剤の開発を促進する。

オーガニックコスメの認証基準のレベルは、消費者のオーガニックコスメに対する信頼感と深く関わっています。もし数多くの合成成分の使用を認めるような、甘い認証基準であれば、やがてオーガニックコスメは消費者の信頼を得られなくなることでしょう。

「日本オーガニックコスメ協会」は、オーガニックコスメ認証基準は、メーカー側よりも、消費者側の声を優先して、本当に安心安全な内容にするべきであると考えてきました。そのため「日本オーガニックコスメ協会」は、早くから「オーガニックコスメ基準は、100%天然成分であることをベースにすべき」という提唱をし、国際会議でもそのように発言してきました。

その考えに従って2015年、「日本オーガニックコスメ協会」は、独自で、天然成分100%のオーガニックコスメ基準を作りました。それが「JOCA基準」です。

「JOCA基準」は、「日本オーガニックコスメ協会」が15年以上にわたって、世界の認証団体を現地で取材し、同時に日本の化粧品業界を取材してきた経験をもとにして作りました。

そして同時に「JOCA基準」をクリアしている製品につけることができる「JOCAマーク」も作りました。

日本オーガニックコスメ協会が
天然100%基準にこだわる理由

日本の消費者の考え方
	 オーガニックコスメは、天然100%
	 
	 理由
	 ■植物エキスは、合成成分と一緒に配合されるとその効果が阻害される。
	 現状
	■化粧品の合成成分で、重要なものは界面活性剤と防腐剤
	 ■オーガニックコスメを称していても、最終的に合成防腐剤(安息香酸Naなど)や、合成界面活性剤(コカミドプロピルベタイン)を配合した製品が多い。
	 
	 目標
	 ■オーガニックコスメ製造者は、天然の防腐剤や界面活性剤を研究促進するべきである。
図 ? Organic Cosmetic
	 
	 オーガニック植物エキス+(水・etc)石油系合成防腐剤、石油系合成乳化剤→安息香酸Na、コカミドプロビルベタイン

「JOCA基準」は、ひとつの化粧品を丸ごと、天然成分のみで作ることを求めています。

まず植物エキスについてですが、日本では植物エキスの溶剤としてよく「BG(1,3-ブチレングリコール)」という合成溶剤がよく使われていますが、「JOCA基準」では、合成溶剤によって抽出された植物エキスの使用を認めていません。植物エキスの溶剤は、アルコール、植物オイル、グリセリンなど、天然成分の溶剤を使用することを求めています。

さらに「JOCA基準」では、植物エキスのほかにも、防腐剤や乳化剤なども合成成分にたよらず、天然成分を使うことを原則としてします。

「JOCA推奨品基準」はヨーロッパのコスメ認証基準よりも厳しいものですが、それは消費者のオーガニックコスメに対する信頼感にしっかりと応えたいという考えから作られたからです。

「日本オーガニックコスメ協会」の「JOCA推奨品基準」は、天然成分のみの製造にこだわる厳しい基準を定めることによって、次のことが促進できると考えています。

  1. 1消費者の立場から、本当に信頼できるオーガニックコスメを普及できる。
  2. 2オーガニックコスメを製造するメーカーの技術を進歩させることによって、他の製品との差別化をはかれる。

オーガニックコスメは、素肌や人体にとって安全性が高いというイメージがあるからこそ、これまで消費者から支持されてきました。消費者のそのような安心安全を求める声に確実に応えるには、「完全・合成成分フリー、自然界に循環できる天然成分100%」のコスメ製造と、コスメ認証基準が必要です。

天然成分100%の化粧品製造をさらに促進するために、
JOCA成分辞典を発行する

天然100%のオーガニックコスメ製造を支援するためにJOCAオーガニックコスメ辞典を発行
	
	2022念日本オーガニックコスメ協会政策
	JOCAマークを取得したい化粧品会社のために、使用できる成分を明記する。

100%天然成分をベースとする「JOCA基準」は、厳しい基準と言えますが、それはたんに理想を基準にしたものではなく、日本のオーガニックコスメ製造の状況を踏まえた現実的なものなのです。

先にも述べましたが、日本の市場に出ているオーガニックコスメ製品を見渡してみると、石油系合成成分を一切使用していない製品が、スキンケアからメイク用品、ヘアケアにいたるすべてのアイテムにおいて存在しています。

石油系合成成分を一切使わない化粧品製造は、今や日本ではたんなる理想ではなく、現実的なものになっているのです。

2022年、現在、42のメーカーの約600点の製品がJOCAマークを取得しています。「JOCAマーク」をつけたいという申し込みは、数多く協会に来るのですが、「JOCA基準」を満たす製品が少ないのが現状です。

そのため「日本オーガニックコスメ協会」は、天然成分100%のオーガニックコスメ製造をさらに支援しようと、この2022年2月には、オーガニックコスメ成分辞典を作りました。この辞典には、どの成分が天然成分なのか、あるいはどの成分が合成成分なのかが一目でわかるようになっているので、JOCAマークを取得できる製品を作りたい製造会社にとっては、とても役立つことと思います。

もちろんこの辞典は、製造会社だけではなく、安心安全な化粧品を選びたい一般消費者にとっても、役にたつものです。

世界へ、天然成分100%の
「ジャパン・オーガニックコスメ」を発信

地球環境とオーガニックコスメ
	環境を破壊しない製品づくりを
	■100%天然成分のオーガニックコスメ製造は、環境保全ができる仕事としても注目されている。
	アルテ
	国産オーガニックローズシリーズ
	-ORGANIC ROSE-
	薔薇は女性の美にとって強い味方です。
	(JOCAマーク) 合成成分フリー、天然成分のみで製造、JOCAマークヲ取得しています。

「日本オーガニックコスメ協会」は、その国の化粧品製造の現実に合わせて、様々なオーガニックコスメ認証基準があるべきと考えています。

そして日本ではすでに、天然成分100%でオーガニックコスメを仕上げることが可能になっている状況があるので、天然成分100%のコスメ基準は日本にはふさわしいものと言えます。またそのことは何より日本のオーガニックコスメへの信頼と評価となっていくはずです。

日本の高いオーガニックコスメ製造技術は、安心安全なコスメを求める世界の消費者の要望に真の意味で応えるものであり、広く伝えていくべき価値あるものと言えます。

さまざまな人工的な合成成分が、環境問題を深刻化させている現代にあって、 今後もオーガニックコスメが継続的に消費者から支持されていくためには、完全に合成成分フリーのオーガニックコスメ製造が求められているのではないでしょうか?

近年は、UVクリームがサンゴ礁にダメージを与えていることが取り上げられ、化粧品の合成成分もまた環境汚染の原因を引き起こしていることが世界的な問題になっています。環境に負担をかけない製品作りという点からも、「完全・合成成分フリー、自然界に循環できる天然成分100%」のコスメ製造とコスメ認証基準が、今の時代に求められています。

その際、天然成分の防腐剤や乳化剤が求められるわけですが、私は、伝統的な植物療法が体系的に残っている韓国には、大きな期待を抱いています。このセミナーの最初に、私は、オーガニックコスメ本来の流れは、一時的なファッションや流行ではなく、はるか昔の時代に遡る植物療法にあることを述べました。

韓国では伝統的な植物療法が今も食事や医療の分野で使われています。

韓国の化粧品会社は、そのような伝統的な植物療法の応用によって、天然成分100%のオーガニックコスメが必要としている、天然成分の防腐剤や乳化剤を開発できる可能性が大きいのではと思っています。

そんな私の思いは、たんなる夢ではなく、実はすでにそうした取り組みが始まっています。

つい最近、日本と韓国の化粧品原料会社が共同で開発したという、天然の防腐剤について情報を得ました。これはスイカズラなど、抗酸化力の高い植物を組み合わせることによって得られたものとのことです。そのような天然の防腐成分は、オーガニックコスメにとって大変大きな意味があります。

アジアから発信、天然成分100%のオーガニックコスメ認証基準

天然成分100%のコスメ基準をアジアから発信
	■自然界にある天然成分を基本とする。
	■温暖化の原因となり、持続可能でない石油原料は「使用不可」。
	■自然界に流れると、循環を阻害する合成成分は「使用不可」。

最初にもお話ししましたが、「日本オーガニックコスメ協会」 が監修した単行本 「オーガニックコスメ」シリーズは、2001年からスタートしました。以来、2、 3年おきに、新たな続本が発行されてきましたが、それは消費者に本当に安心安全な化粧品を普及したいという趣旨から制作したものです。そして2020年には、 「オーガニックコスメ」シリーズの第7番目の本として、 「ジャパン・オーガニックコスメ」と いうタイトルの本が発行されました。

この本に掲載されたオーガニックコスメは、天然成分100%で作られた日本ブランドの製品に限りました。それらの掲載ブランド製品はすべて「日本オーガニックコスメ協会」 のJOCAマークを取得しています。

単行本「ジャパン・オーガニックコスメ」は、合成成分を一切、使っていない日本のオーガニックコスメと、そして天然成分100%のコスメ基準を、世界に向けて発信していこうという趣旨のもとに発行されました。

「日本オーガニックコスメ協会」としましては、今後、ぜひ韓国のオーガニックコスメに関わる団体や製造会社の方々とも協力して、天然成分100%のオーガニックコスメ製造を促進したいと願っています。

さらに今後は、日本と韓国がオーガニックコスメ製造について協力するだけはなく、天然成分100%のオーガニックコスメ認証基準についても、ぜひ一緒にアジアから発信していくために協力体制を作りたいと考えています。

 

2022年国際オーガニックコスメトレンドセミナー報告【講演・日本オーガニックコスメ協会・水上洋子】~天然成分100%のオーガニックコスメ基準をアジアから発信~

国際オーガニックコスメトレンドセミナーで講演しました。

2022年、10月5日、韓国・槐山(クェサン)で開催されたトレンドセミナーの招待により、「日本オーガニックコスメ協会」代表の水上洋子が講演しました。

オーガニックトレンドセミナーの会場は、槐山の中源大学

この日のセミナーのテーマは、オーガニックコスメについて様々な観点から見た講演になりました。ちなみに韓国では3年前に、国のオーガニックコスメ基準を定めています。この基準は、EUのコスモス基準に沿うものであり、そのため、いくつかの石油系の防腐剤や界面活性剤の使用が認められています。

この日のセミナーの講演者は6人。

オーガニックコスメの価値(チャン・ドンイル氏)、コスモス基準とオーガニックコスメ市場(イ・スヨン社長)、持続可能な化粧品原料の開発(パク・ジュンソン教授)、オーガニックコスメのマーケティング戦略と発展(イ・ウィジョン氏)、韓国のオーガニックコスメ基準(チェ・ソンチェル氏)など、様々なテーマからオーガニックコスメについて語られました。

緑豊かな環境がある槐山は、韓国の中でもオーガニック意識が高い。槐山のオーガニックホテル。

2番目に登壇した「日本オーガニックコスメ協会」の水上は、「天然成分100%のオーガニックコスメ認証基準と製造法」というテーマで講演をしました。

この講演で、「日本オーガニックコスメ協会」は、2015年にコスモス基準よりもさらに厳しい、天然成分100%のオーガニックコスメ基準を定めていること、オーガニックコスメを支持する消費者の信頼に応えるために、天然成分100%のオーガニックコスメ基準を、アジアから発信していく方向性を示し、日本と韓国の間に協力関係を作ることを提案しました。

» 講演の詳細はこちらから→「日本から発信、天然成分100%のJOCAコスメ認証基準」

オーガニックコスメ推奨品マーク

日本オーガニックコスメ協会は、 韓国で開催されるオーガニックトレンド展に参加し、セミナー講演をします。

韓国の槐山では、毎年、オーガニックイベントが開催され、「衣食住」に関する製品の展示と、オーガニックに関するセミナーやトークセッションが催されています。

このオーガニックイベント開催者の依頼によって、「日本オーガニックコスメ協会」は、セミナーを依頼され、10月5日に実施することになりました。

オーガニックコスメ認証基準については、韓国でも関心が高まっています。

セミナーのほかに、韓国の認証団体との交流会談も予定されています。

「日本オーガニックコスメ協会」としては、今後、韓国の認証団体とも協力して、アジアから天然成分100%のオーガニックコスメ認証基準を発信していきたいと考えています。

» イベント詳細はこちら

テーマ:日本から発信、天然成分100%のオーガニックコスメ基準
講師:水上洋子
日時:10月5日 14:30~15:10
場所:韓国 槐山郡庁同館

ドイツ化粧品・パーソナルケア シンポジウム開催(後援 日本オーガニックコスメ協会)

在日ドイツ商工会議所は、10月18日(火)東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて「ドイツ化粧品・パーソナルケア シンポジウム」を開催します。

このフォーラムは、ドイツ連邦経済・気候保護省の海外事業助成プログラムの一環として開催されます。

前半は高機能化粧品、後半はサステナビリティ・ナチュラルコスメをテーマに、参加企業8社が企業紹介プレゼンテーションを行います。さらに日本輸入化粧品協会、ドイツ化粧品・トイレタリー製品・香水・洗剤協会の日独専門家が参加し、両国の最新動向を紹介します。

» 詳細&申込はこちらシンポジウムは終了しました。

開催日時:2022年10月18日(火)10時30分~15時00分
開催場所:
虎ノ門ヒルズフォーラム 4F Hall B
(東京都港区虎ノ門 1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー 4F)(アクセス
後援:
日本オーガニックコスメ協会
ドイツ化粧品・トイレタリー製品・香水・洗剤協会
日本輸入化粧品協会

使用言語:日英同時通訳
参加費:無料
お問合せ:
在日ドイツ商工会議所・光村枝美
イベントコーディネーター/ イベントマネージメント
Tel:  03 5276 8737 (直通)  E-Mail: emitsumura@dihkj.or.jp

「日本オーガニックコスメ協会」は、 「オーガニックライフスタイルEXPO」に、メディアブースとして参加します。

今年で7回目になる「オーガニックライフスタイルEXPO」。

コロナ禍、気候変動などが続いていますが、そんな時代だからこそ、しっかりとオーガニックを生活に取り入れましょう。

オーガニックライフは、健康を守り、地球環境を高めるためにも役立ちます。さらにSGDsにも貢献します。

ぜひ会場にいらして、「衣食住」、様々な分野のオーガニックを学んだり、生産者と交流しませんか。

心と体の健康と地球環境のために、一緒にオーガニックワールドを広げていきましょう。

オーガニックライフスタイルEXPO2022

日時
9月16日(金)、17日(土)、18日(日)
10:00~17:00
場所
東京都立産業貿易センター

「日本オーガニックコスメ協会」は、 「朝日新聞GOOD LIFEフェア」に、出店します。

SDGsと豊かな暮らしをテーマにした「GOOD LIFEフェア」。

テーマは、たんなるモノの豊かさではなく、本当の意味で豊かな暮らしを考えること。

「日本オーガニックコスメ協会」は、「GOOD LIFEフェア」の健康&ビューティエリアに出店します。

心と体の美と健康、そして地球環境のために、本当に豊かな暮らしを作っていきませんか?

オーガニックコスメメーカー様、オーガニックコスメ・アドバイザーの方々、そのほか様々な方々との出会いを心より楽しみをしています。

GOOD LIFEフェア

日時
9月23日(金)、24日(土)、25日(日)
10:00~18:00(最終日は17:00まで)

場所
東京ビッグサイト 東3ホール

化粧品と化学物質過敏症 女性たちのからだを汚染し続ける化粧品の合成成分

化粧品と化学物質過敏症
女性たちのからだを汚染し続ける化粧品の合成成分

シンナーと同じ成分がマニキュアに使用

現代の多くの化粧品は、女性たちのからだにあまりにも大きな負担をかけています。

そのことを実感したのは、ある化学物質過敏症の女性と出会ったときでした。長年、彼女は、東京でネイルサロンを経営していたのですが、ある日、突然、化学物質過敏症になってしまったとのことでした。そのため、ネイルサロンを閉めざるを得なくなり、その後は、手や指のマッサージをしたり、ナチュラルなオイルを使うなどのハンドケアのお店に切り替えたとのことでした。

次に記したのは、一般的なマニキュアの全成分の一例です。

酢酸ブチル・酢酸エチル・(無水フタル酸/無水トリメリト酸/グリコールズ)コポリマー・クエン酸アセチルトリブチル・イソプロパノール・香料・ステアラルコニウムヘクトライト・ジパルミチン酸アスコルビル・トコフェロール・マカデミアナッツ油・モモ核油・(アジピン酸/フマル酸/フタル酸/トリシクロデカンジメタノール)コポリマー・アクリル酸アルキルコポリマー・クエン酸・コーン油・ジ(C12-15)パレス-2リン酸・酸化チタン・酸化鉄・黄4・赤201・赤202
  1. 1最初の酢酸ブチル、酢酸エチルは、塗料に使う石油合成の有機溶剤で、揮発性のシンナーの原料にもなっています。両方とも法律によって、有害性のある化学物質として指定されています。高濃度で吸引すると、頭痛、吐き気、めまい、呼吸困難、意識喪失の症状が出ることがあるので注意が必要とされています。
  2. 2(無水フタル酸/無水トリメリト酸/グリコールズ)コポリマーは、アジピン酸/フマル酸/フタル酸/トリシクロデカンジメタノール)コポリマー・アクリル酸アルキルコポリマーは、粘性のある被膜形成剤で、爪に定着させる基材になりますが、これらも石油由来原料です。
  3. 3香料は、石油由来の合成香料で、揮発性があります。
  4. 4さらに色付けとして、黄4・赤201・赤202などが使われていますが、番号がついたこれらの色名は、すべてアレルギー性があるとされている石油由来の合成色素です。

こうしてみると、「マカデミアナッツ油、クエン酸、コーン油、酸化チタン、酸化鉄」以外はすべて石油由来の合成成分で、揮発性があるものがほとんどです。

他のマニキュアもほぼ似たような揮発性の合成成分が使われています。塗るときには液体で、さっと乾くことが求められます。建築や車の塗料と同じような化学物質が、マニキュアに使われているのです。こういうものを日々、使う仕事をしていれば、なるほどCS(化学物質過敏症)になっても不思議はありません。

合成成分は老化(=酸化)を促進させる

今や、マニキュアだけではなく、スキンケア、メイク用品、シャンプーにいたるまで、一般的に市場に出ている化粧品の全成分を見てみると、水とエタノール以外は、石油で作られた合成成分がオンパレードというコスメが圧倒的に多いことに驚かされます。

たとえばよく広告も出している某メーカーのクリームの全成分を見てみましょう。このクリームは、エイジングを売りにするクリームで、その価格もかなり高額と言っていいものです。

レチノール、酢酸DL-α-トコフェロール、水溶性コラーゲン(F)、濃グリセリン、精製水、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、1.3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、メドウフォーム油、ポリエチレングリコール1000、メチルポリシロキサン、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸グリセリル、ベヘニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリルアルコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸三ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、酵母エキス(3)、無水エタノール、マリンエラスチン、クララエキス(1)、カノコソウエキス、フェノキシエタノール、香料、β-カロチン

この中で、天然成分はというと、「レチノール、水溶性コラーゲン、濃グリセリン、ベヘニルアルコール、エタノール、メドウフォーム油、酵母エキス(3)、無水エタノール、マリンエラスチン、クララエキス、カノコソウエキス、β-カロチン」くらいのもので、後はすべて石油由来の合成成分です。

「レチノール」は、合成ビタミンAでアンチエイジング成分として有効ということになっていますが、成分抽出の過程で合成成分や合成防腐剤が使われています。同時にそのほかの天然成分もどのような溶剤で抽出しているかはわかりません。おそらく石油系の溶剤で抽出されていたり、合成防腐剤が使用されるのがほとんどなので、本当の意味での天然成分とは言いがたいものになります。

しかし多くの女性たちは、化粧品が何で作られているのかは気にも止めず、メーカーが発信するイメージ広告やうたい文句に魅了されるままに、化粧品を使い続けています。

近年、以前にはなかったアレルギーやアトピー、そしてCSなどの疾患が世代を超えて増え続けています。その一因として、女性たちが使う化粧品も大きく関与しています。

基本的に主に石油から合成された成分は、細胞を酸化させてしまうため、エイジングケアどころかかえって肌の老化を速めてしまいます。

化粧品の全成分をみても、ほとんどの女性はひとつひとつの成分が何からできているのかを知らないまま、デザインやうたい文句だけで化粧品を購入しています。

「女性が化学に弱い?」ことを良いことに、あまりに合成成分が多いコスメが販売され続けています。それは必ず「経皮毒」となって、ある日、深刻な症状を発症します。

アレルギーやアトピー、そしてCSに悩む方々は、まずは食品の添加物や芳香剤や殺虫剤などは避けるようにしますが、意外にも化粧品は見逃されていたりします。

しかし華やかなCMや広告は、女性たちの視線を化粧品の本当の中身から反らしてしまい、あたかもサイレンの歌に誘惑される船人のように美しいイメージに誘われるがままにふらふらと購入してしまうわけです。

化粧品の合成成分で子供たちも汚染されてしまう!

女性たちがあまりにコスメメーカーの華やかなCMや広報に踊らされて、化学物質を体内に蓄積してしまう結果になっていることに危機感を抱かざるを得ません。

女性が子供の母親になることを考えると、その母体がすでに、美しさを求める行動の中で、汚染されているというのは、本当に怖いことです。

さらに、そのような化粧品を買うことに慣れた母親たちが、さしたる疑問を抱くことなく、赤ちゃんや子供たちにも合成成分でいっぱいのスキンケアやシャンプーを使うことです。

ぜひとも化粧品の全成分がわかる女性を増やさなければ、本人の健康はもちろん子供やその家族にも、病気やアレルギーが広がってしまう!

女性は化学が苦手だからで済まされる問題ではなく、次の世代にも関わってくる問題です。

そんな危機感から、2010年から「日本オーガニックコスメ協会」は、オーガニックコスメ・アドバイザー講座を開催することにしました。

さらに2017年、「日本オーガニックコスメ協会」は、JOCAマークを作りました。

これは、たとえ化粧品の成分がわからない人でも天然成分100%の化粧品を選べるようにするためのものです。

もし女性たちのからだに様々な問題が表れていたら、それは必ず子供たちに及びます。

ぜひ女性たちにもっと化粧品のことを知ってもらいたい。

自分を守り、そして子供や家族を守るワイズウーマンが増えてほしい。

そんな思いを抱きながら、「日本オーガニックコスメ協会」は、活動を続けています。

2022年7月19日

 

「JOCAオーガニックコスメ辞典」を発行しました。

本当にナチュラルな化粧品を選ぶために

この「JOCAオーガニックコスメ辞典」は、本当にナチュラルな成分だけで作られた化粧品が欲しいと考えている人のために、化学者や化粧品製造者の協力を得て制作されました。

現代の化粧品の主成分は、石油です」というと、ほとんどの方が驚きますが、でもそれが現状です。

ようやく2001年、化粧品の全成分表示が義務付けられ、誰もが化粧品の中身を知って購入することができるようになったはずでしたが……。

しかし相変わらず多くの消費者は、化粧品の中身を気にしないまま、うたい文句やデザインの好みなどで購入し続けています。

何故でしょうか?

それは、全成分をみても、そのひとつひとつが一体何から作られているのかという知識をほとんどの方が持っていないからです。

化粧品の石油由来成分はどんな問題があるのか?

 
 石油から作り出された合成成分は、自然界にないものも多いため、素肌だけではなく、体にもダメージを与える懸念があります。

食品添加物や化粧品に使われる石油由来成分については、早くからヨーロッパの欧州食品安全機関「エフサ」は、懸念を表明してきました。とくにワセリンやミネラルオイルなどの石油由来成分には、発がん性物質が含まれているため、リップスティックなどには使わないようにという勧告も出しています。

安心安全な化粧品を使ってほしい、作ってほしい

近年、「オーガニックライフ」を実践したい人は増えています。それは自身や家族の体を化学物質による体内汚染から守るためでもあり、地球環境と共生していきたいと考える人たちです。

その際、食品はオーガニックなものを選んでいても、化粧品となると、オーガニックライフとは程遠く、合成成分いっぱいの化粧品やシャンプーを使っている人が多いのが現状です。それは、消費者が化粧品の成分を読み解く手段がないからです。

もし女性たちが本当に安心安全なものを選べる知識が無ければ、そのことは家族や次世代の健康にも暗い影を落とします。

化粧品は、食べ物の次に人の体にとって身近であり、影響の大きなものです。女性が本当に安心安全なものを選ぶことは、当人だけではなく、その周りにいる人たちの健康と、そしてすこやかな人生を守ることにつながります。

ぜひ総合的なオーガニックライフを目指して、食べ物と同じく、日々使う洗剤や化粧品、シャンプーも安心安全なものにしてほしいと、この辞典を制作しました。

またこの辞典は、安心安全なオーガニックコスメを作りたいと考えるメーカーにとっても、使用する成分を決めるさいの基準になることと思います。

自身の素肌とからだの健康、次世代の健康、そして持続可能な地球環境のために、この辞典が役立てばうれしい限りです。
                          

日本オーガニックコスメ協会

美しく健康な素肌を守るために、 本物のオーガニックコスメを選べる力をつけたい、 そして仕事にも活かしたい人のための講座です。【JOCAオーガニックコスメ・アドバイザー通信講座 2024年4月スタートの第22期講座は 只今、受講を受け付けています。】

デザインではなく、本当の中身を知って、化粧品を選んでいますか?

素肌と体の健康のために、食事はオーガニックやナチュラルにこだわっていても、化粧品となると、合成成分が配合された化粧品やシャンプーを使っている人が多いのが現状です。

何故でしょうか?

それは化粧品の全成分を見ても、難解な化学成分名がずらりと並んでいて、それらがいったい何から作られているのかがわからないからです。

そのためほとんどの方が化粧品は、デザインやうたい文句で選んでおり、本当の中身をよく知らないまま、何年も使うこととなります。

多くの肌トラブルの原因は、化粧品の合成成分

しかし現代の化粧品には、実に数多くの合成成分が使われています。それらの合成成分は、乾燥肌やシミ、くすみ、敏感肌など、様々な素肌トラブルの原因となっています。

そのように化粧品の合成成分の害が表れるのは素肌だけではありません。化粧品の合成成分は、「経皮毒」となることも多いので、体にも影響を及ぼしています。体内に蓄積した合成成分は、アレルギーや免疫力の低下の原因となります。

本当に安心安全なコスメを選べる力が、素肌と健康を守る

この講座は、天然100%、本当に安心安全なオーガニックコスメを選べる力をつけるためのものです。

そのために、化学者、化粧品製造会社の開発者、化粧品原料会社、皮膚科医、生物学の教授など、オーガニックな視点を持つさまざまな分野の専門家が協力して、化粧品とその成分、歴史、製造方法など、誰もが理解できるように教材を作りました。

さらに現在、世界にさまざまなオーガニックコスメ認証マークがありますが、それらの基準の違いなどについても学ぶことができます。
化粧品の中身を知って、本当に安心安全な製品を選べる力をつけることは、健やかな生活と長い人生において、いつまでも美しく健康な素肌を保ち、そして体を守るために必要なことです。

また本当に安心安全な化粧品を選べる知識は、自身だけではなく、家族や周囲の人々の、素肌と健康を守るためにも必要なことです。

講座で得た知識を、仕事に、ブランド作りに活かす

現在、コスメショップやサロンで働いている方々にとって、お客様にオーガニックコスメの正しい情報を伝えていくことは、揺るがない信頼を築くことにもつながります。

また新たにオーガニックコスメブランドを立ち上げたいと考える方や会社も増えていますが、そんなときにも講座で得た知識は役立ちます。本当に安心安全なオーガニックコスメを作るためにどんな乳化剤や防腐剤などを使用すればいいのかなどの詳細を学ぶことができるからです。

「日本オーガニックコスメ協会」は、「JOCAオーガニックコスメ・アドバイザー講座」を通じて、真に安心安全なオーガニックコスメのさらなる普及を目指しています。真に安心安全な化粧品を選べる人、そして作る人が増えることは、素肌の健康と、そして地球環境を守ることにもつながります。

» JOCAオーガニックコスメ・アドバイザー講座の詳細はこちら